1.26.2026

[film] Twin Peaks – original US pilot episode (1990)

1月19日、月曜日の晩、BFI SouthbankのDavid Lynch特集で見ました。

昨年の6月、”Star Wars” (1977)のオリジナル35mm版の上映で一部の話題を呼んだ作品をすべてレアなフィルムで上映する”Film on Film” Festivalのクロージングで上映され、Kyle MacLachlanとのQ&Aもあったのでチケットぜんぜん取れなかったやつ、が再び35mmフィルムで上映された。

BBC2では1990年の10月に放映され、本国アメリカでは 最初のエピソード”Northwest Passage"としてABCで同年4月に放映されたもの。日本ではWOWWOWが開局記念で放映したんだったか(この局はこういうことをしたので最初からイメージよくない)。WOWWOWも何も、当時はTVをほぼ見ていなかったので掠りもしないまま、自分にとっては今回が初めてのTwin Peaks体験となった。遅すぎ。

David LynchとMark Frostが脚本を書いて、このエピソードはDavid Lynchが監督している。

最初のパイロットで、その後のプロダクションへの出資や人気を左右する試金石となるものなので、ものすごく丁寧に慎重に作っている感じで、人気爆発後の映画版に見られるような過激な人物の登場、過剰な描写やエフェクトは抑えて、普通のアメリカの地方都市のドラマに見せようと、でもそうしようとすればするほど殊更にその異様さを炙りだし不安を煽ってしまう - ここまで計算しているのだろうが、終映後、客席ではみんな酸欠の金魚のようにため息をついて深呼吸をしていた。

そして、これを有料ケーブル放送にして金持ち層にしか見せないようにした日本の連中を改めて呪う。「サブカル」というしょうもないジャンルの囲い込みと共に文化全般の衰退と陳腐化が始まったのはこの頃からではなかったか。

Twin Peaksの町の川べりでプラスティック袋に包まれたLaura Palmer (Sheryl Lee)の死体が発見され、FBIから特別捜査官のDale Cooper (Kyle MacLachlan)がやってきて捜査を開始するのだが、両親家族も男友達も女友達も彼女の周囲にいた連中はぜんぶ怪しい。Laura自身も相当。この事件に関して、とかLauraとの関わりにおいて怪しい、というより、ふつうの人、コミュニティの一員としてなんだか捩れてておかしくて、そうやって近寄って見てみるとコンパスもそもそもの地図も狂ってくるようで、それにCooperだってなんかおかしいし、どうするのこれ? になっていく。

こうして映画のテーマは誰がLaura Palmerを殺したのか? というよりも、なんでどいつもこいつもこんなに変で怪しいのか? に集約されていくかのようで、というかそこから解きほぐしていかないと説明つきそうにないようなことがありすぎて、それは動物の行動や生態の謎を明らかにするために地層を掘って進化の謎と順番から探っていかなければならなるのと同じようなー。

そして、町の人々はそうされて然るべきの風貌と臭気をフルで装備しつつ、その異様さを自分たちの意識無意識下の夢とか糧のような形で絶えず吸収し循環(エロとグロと聖と昼と夜と)させたりしながらずっと生き永らえている。そうやって維持される出口なしの機構のことをLynchは後に、最後に”Inland Empire”と名づけたのではないか。

この後、1月21日の晩に同じLynchの特集で”Twin Peaks: Fire Walk with Me” (1992) - 『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』と”Twin Peaks: The Missing Pieces” (2014)を続けて見たのだが、このUSパイロットの強さ確かさを超えるものではなかったような。俳優陣が異様に豪華だったのはおかしかったけど。

ここのエピソードって結局すべてが、最初から”Missing Pieces”なのではないか、とか。

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