1.19.2026

[log] Athens - Corfu - Jan.08 -11 2026

1月8日の木曜日から1月11日の日曜日の晩まで、ギリシャのアテネとコルフ島に行ってきた。

あと残り3ヶ月でどこまで行けるか、を考えたとき、行ったことないとこで行けるところから行っちゃえモードになっていて – でもそういうのを「考えた」とは言わない。

まずはアテネで、ギリシャというのはヨーロッパ文明の源流みたいなとこ(あくまでイメージです)があるし、どうせ見るところなんて死ぬほどあるだろうし、アクロポリスだけでも、程度で。実際には見るところいっぱいで途方に暮れた。
細かく書いていったら終わらなくなることがこないだのイタリアのでわかったので、簡単に。

着いた日の午後はベナキ博物館とかキクラデス博物館とかを見て宿の近くを散策して終わり、アクロポリスとかの本丸(いかにも本丸ってかんじ)は、9日にまわった。アクロポリスとスロープも、少し歩いたところにあるゼウス神殿も、世界遺産だし有名な遺跡なのだが、でっかい怪獣の死骸のようにやたらでっかくて見あげるしかない。なんであんな山の上に建てるのか - 山の上だからか。 絵葉書で見るのともTVで見るのとも当然のように違って、偉い人たちは日々ここでなにをしていたのか、と。猫がいてカササギがいた。コルフでは「カカサギ」になるやつ。

遺跡以上にそれらからの出土品を集めたAcropolis MuseumとNational Archaeological Museumのふたつのてんこ盛りがとんでもなくて、特に部屋を渡っても壁を超えてもずらずらきりがなくやってくる彫刻群が圧巻で、ずっと見ていた。お寺で仏像がいっぱい並んでいるときに来る壮観さとかありがたみ、みたいのはあまりなくて、なんでこんなに - 胸像から女神から獣から家具みたいのから - いろんなのがあるのか、なにをしたい?しろというのか? など。

この後に、先日15:30で閉まっていたByzantine and Christian Museumに入って、年末のイタリア旅行も振り返りつつ、ビザンティンいいなー、って回る。あんなカサブタみたいなのばかりなのに、暗いなかに浮かんでいるだけで、素敵で。ここの庭にはみかんの木があって、人懐こいネコが2匹いるの。

10日は日帰りで、コルフ島に行った。飛行機で片道1時間、この時期は朝に一便、戻りは夜の一便のみ。
元々ギリシャに行くならコルフ島はぜったい、の決意があった。

子供の頃、市の交通標語かなんかのコンクールで当たって(当たって、じゃない)、ご褒美に図書券を貰って - 自分で稼いだ最初のお金(相当)で - 近所の本屋でジェラルド・ダレル(池沢夏樹訳)の『鳥とけものと親類たち』を買ったの。当時は動物生態学者になりたいという夢があって、そのためのお勉強をしようと思ったのだが、この本は動物は出てくるもののそういう類のではなくて、動物たちよりヒトの方がめちゃくちゃ変でおかしくて、これがきっかけでロレンス・ダレルを知り、そこからヘンリー・ミラーを知り、あとはしょうもない変態の道を転げ落ちたのだったが、その土壌となったコルフ島については、ずっと自分のBucket Listに入っていた。

ダレル家は、TVシリーズの” The Durrells”もあったので、英国人には人気で、ゆかりの地を巡るツアーもいくつかあるようだったが、いまはシーズンオフであちこち閉まっていて、小さな島なのでレンタカーして周るのがお勧め、と言われたのだが、それも無理だし、公共バスでの移動もできないことはないが、時刻表通りに動いている可能性は低い.. などなどをAIさんと話して、空港到着から4時間分、タクシーをチャーターして行きたいところに連れていって貰うことにした。AIさんはチャーターしても仲間で割れば安くなりますよ、とか言うのだったが、仲間ってなんだよ。そんなのいねえよ。

空港でタクシーの運転手の人が待っていて、Durrells知ってる? と聞いたら知らん、というので不安になったが、行き先として告げてあった場所はふつうに有名なところらしく、すいすい連れていってくれた。

アテネはよい天気だったが、コルフは雲が厚くて風が吹いてて、晴れて曇って雨が来て、まるでいつものロンドンだった。最初に東の北の海辺の彼らが住んでいた家 - The White Houseを見て(もちろん開いていないので外側だけ)、荒れた岩場の海を見てから西の方に横断して夏だったら素敵に違いなくて、ボートでいっぱいになるという入り江と砂のビーチを眺める。酔っ払った船長のせいで船がひどいことになってラリーが死にかけたとこ。

あとは風のせいか低いところでよれてぶっとく捻れ捻れたオリーブの樹のしぶとそうでかっこよいその輪郭。入り江を見渡せる高台にも登って、荒れた海と風に痺れた。海のごうごう呻くような様が昔行ったアイルランドのようだ、と思ったら運転手の人が「コルフは緑の島なんだよ」って言うのでおおー、って。

4時間なんてあっという間で、お昼頃にコルフの旧市街で降ろして貰ってから魚市場などを覗く。海が荒れていたせいかそんなに並んではいなかったが、シャコやイカタコはさすがにぴかぴか。運転手さんに教えてもらったシーフードの食堂でBourdettoっていう郷土料理をいただいた。サソリ魚などを辛めのトマトソースで煮込んだ - たしかジェラルドの本にもあったやつ。

世界遺産にもなっている旧市街は潮と風に曝された建物の色合いと寂れ具合が極上で、ダレルの世界以上にやられてしまったかも。美術館 - Byzantine Museum of Antivouniotissa - 15世紀からヴェネツィア共和国の支配下にありビザンツ帝国との交易の要でもあった - 19世紀には英国の統治下だった島なので、要塞のがっちりしたかんじとかビザンティンのコレクションは見事で、考古学博物館にも行ったのだが、お店も含めて16時前に閉まるところが殆どで、天気も回復しないし寒いしで、早めに空港に行って寝てた(空港にもなんもないし)。

空港に並んでいたコルフのお土産に金柑があって、ジャムの他に個別包装された甘露煮みたいのがあったので買ってみたら、これがほぼ和菓子のおいしさで、飛行機を待っている間に袋の半分くらい食べてしまった。

でも行ってよかったー。ちゃんとしたシーズンにまた行けたらなー。

11日の最終日は、National Gallery に行って常設展示を見て、Basil & Elise Goulandris Foundationに行って印象派を中心としたモダン・アートを見て - ずっと古代〜中世中心に浸かってきたのでなんか新鮮 - その後にその近くのLyceumに行った。野外の原っぱ - 遺跡の発掘現場なのだが、ここにアリストテレスの哲学の学校があったの。自分が初めて読んだ(気がした)哲学の本は『ニコマコス倫理学』だったので頭の奥で何かが燃えあがって、個人的にはアクロポリスより盛りあがったかも。

この後はNational Gardenをふらふらして、いろんな鳥とかヤギとか鯉とか金魚とか亀とか(ノラ?)猫とかいっぱいいるので和んだ。セントラルパーク、ハイドパークみたいな市民の憩いの場なのだと思うが、ここなら毎週来てだらだらしたい。

食べものはGreekのつくサラダもヨーグルトもとてもおいしかった。滞在していた界隈、華やかな表通りから外れると怪しげなアジア系の飲食店、レコード屋が並んでいて、緩めの坂があって、まるで前世紀末の渋谷のようだった。

ネコはちょっと気をつけていれば町角にいくらでも見つけることができて、でもイスタンブールの奴らよか人懐こくはなかった。古代からずっとああしていたんだろうな、と思わせる威厳と温度感で媚びることなく歩いていてかっこよかった。

こんなものかなー。まだあったようなー。

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