1.20.2026

[film] Moss Rose (1947)

1月6日、火曜日の晩、BFI Southbankの古いやつをアーカイブから引っ張りだす”Projecting the Archive” のシリーズで見ました。90年代にオリジナルのナイトレートから焼かれた35mmフィルムでの上映で、一般公開用の上映で使われるのは初めてのプリントだって。

主演のPeggy Cumminsの生誕100年を祝う上映でもある。Joseph H. Lewisの”Gun Crazy” (1950) - 『拳銃魔』でのぶっとんだ役が有名だが、元はイギリスの女優さんで、晩年はBFIのイベントによく来てくれたり地域のボランティアに参加したり、とても素敵な方だったそう。

「霧のロンドン」をたっぷり見せたいアメリカ映画で、監督は、俳優としてもいろいろ出ているGregory Ratoff、原作はJoseph Shearing aka Marjorie Bowenの1934年の小説。ヴィクトリア朝の頃、実際にあった事件を元にした小説。IMDBには邦題『モス・ローズ』とあるので、日本でも公開されたのかしら。

ミュージック・ホールで踊り子をしているBelle aka Rose (Peggy Cummins)が、仕事仲間のDaisyがフラットで殺されているのを発見して、亡くなる直前まで彼女と一緒にいたRoseは現場近くにいて怪しかった男Michael (Victor Mature)を追っかけて、あんたやったでしょ?あたし見たんだからね、 って脅迫してお金ではなく田舎にある彼の屋敷に滞在させてもらうことにする。

連れていかれた貴族のお屋敷と生活にはほぇーってなるものの、そこには彼を溺愛する母親(Ethel Barrymore)がいて、彼の婚約者もいるし、なにやってんだろあたし、になったりするのだが、そこに次の殺人が起こって…

現場に残されているMoss Rose(和名マツバボタン)が意味するところは、とか、肝心なところでかき乱してくる警部Clinner (Vincent Price)とか、犯罪推理モノっぽいところはあるものの、犯人捜しの建付けと謎解きはどうってことなくて、なんにでもクビを突っ込みたがりのキュートなRoseのスクリューボール・コメディのように見ることもできるかも。でも興行的には惨敗だったって..

それにしても“Gun Crazy”でめちゃくちゃぶっとばしてしまう前にこんなことを、相当度胸のあるあれだと思うが、とにかく彼女の軽くてとっぽい仏頂面などがたまらなくよいのだった。


High Treason (1929)

1月18日、日曜日の午後、BFI Southbankで見ました。
1月の特集に、”Magic Rays of Light: Early Television”という特集があって、初期のTVプログラムを集めて上映している。時間があれば見てもおもしろいだろうな、と思うものの、知識としてはなんも持っていない世界なので、見れる範囲で、くらい。

これは1950年頃の世界を舞台にしたサイレントで、トーキーの到来を意識した音声付きバージョンも作られたらしいが、今回の上映は35mmフィルム上映でピアノ伴奏がつく。なんでこれをEarly Televisionの特集でやるかというと、劇中にTV電話のようなディスプレイ機械が出てくるからで、工夫された未来描写はなかなか楽しかった。

第一次世界大戦は終わっていて、世界は"United States of Europe" vs アメリカを中心とした"Empire of the Atlantic States"のように分かれていて、このふたつが国境でのしょうもない小競合いの果てに一触即発になり、イギリス海峡の海中地下トンネル – Eurostarぽい豪華列車が走っている - が爆破されて次の大戦まであと一歩、のところでイギリスの平和連盟が動きだして… という政治サスペンスなのだが、筋書きやキャラクター造型以上に、TV通話とか、シャワー(シャワーシーンがあるの)の後の全身ドライヤー(拭いたほうがぜったい早い)とか、どうでもいいところに目が向いてしまう。

女性のぴっちりした衣装とか、Fritz Langの”Metropolis”(1927)に影響を受けたことは見ればわかるのだが、それ以上に絶対平和を唱える平和大臣(ヒロインの父)が戦争をしたくてたまらない偉ぶった大臣を撃ち殺しちゃうとか、なかなかリアルでよかったかも。全ヨーロッパ vs アメリカなんていままさに。(とにかくあのバカほんとどうにかして)

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