9.22.2025

[film] The Golden Spurtle (2025)

9月12日、金曜日の晩、ダウントンを見た後に、そのまま隣にあるCurzonのDocHouseで見ました。

ポリッジ(porridge)の世界選手権についてのドキュメンタリー。監督はオーストラリアのConstantine Costi、英国/オーストラリア映画で配給はDogwoof。

Spurtleというのはポリッジをかき混ぜるのに使う木製の匙で、優勝者にはこれをかたどった黄金のトロフィーが贈られる。たぶん本物の金ではないと思うが、外したら武器にするくらいはできるかも。

イギリスの朝食メニューとしてあるポリッジは日本だと「オートミール」と呼ばれてしまうのかも知れないが、お米とお粥くらいの違いがある。朝のBAの飛行機に乗るののなにがよいかというと、ここのラウンジにはポリッジがあるからで、これに蜂蜜をかけて食べるとああ飛行機に乗るんだわ、ってなるくらい脳はポリッジ状に腐りはじめている気がする。

スコットランドのCarrbridgeという小さな町で毎年行われているポリッジチャンピオンシップのある年の様子、特に世界中から集まってくる選手たちを追っていく。で、今年のはずっとこのイベントを主宰して引っ張ってきたCharlie Millerの最後の年になるのだと。 この人がどんなにすごい人かというと... 割とそこらにいそうなただのおじさんで、それがまたよいの。

世界にはいろんな料理があるので、なんの料理を対象としたどんな選手権があってもよいとは思うが、ポリッジにしたのはうまいな、って思った。「パン」みたいに汎用性があるように見える反面、朝のぼーっとした頭と身体にしみるようなシンプルさ、かつ微妙な匙加減が求められて、作り込みすぎても素(す)すぎてもだめだと思うし、プリンと同じように硬め柔めの議論だってあるし、どんな蜂蜜かメープルシロップかとか、あとは供される温度だって重要な要素になるだろうし ← うるさいよ。

映画はCarrbridgeの町並み – ほんとにただのふつうのスコットランドの地方都市 - を紹介してから過去2回優勝している地元の女性とか、参加してくるオーストラリアの人、ニューヨークの人、などを紹介する。ふだんはタコスを作ったりしているが、ポリッジを専門にやっているわけではない人たち。 というかパン屋があるみたいにポリッジ屋があるかというとそうではないし、どちらかというとグラノーラあたりに近いのかも。(もちろん、グラノーラにもなめてはいけない世界のようなもの、はある)

選手権の日は豪雨で、審査員の紹介もそんなになくて、審査の基準も調理の際のルールもあんまわかんなくて(たぶんてきとーなんだと思う)、優勝したポリッジも、どこにどんな秘密やこだわりがあったのかはわからなくて、おいしいポリッジの秘密を探りたい人にはううーってなるのだが、世界の果て、というほどでもないほどほどの田舎で、毎年こんな変なチャンピオンシップをやっているんだよ、というドキュメンタリー映像の纏まりとしてはよくできていたかも。

日本からも秘伝のタレとか味噌とか麹とかを持参して参加すればそこそこのところには行けるのではないか。


Istanbul

で、これの翌朝にフラットを出て、9月13日から15日まで、トルコのイスタンブールに行った。
フライトが朝6:15発で、ラウンジが開いたのが5:00だったので今回のポリッジは駆けこみでかっこむこととなった。

トルコは初めてで、見たいところはいろいろあるものの、カッパドキアとか考えだしたらきりがなくなりそうなので、まずはイスタンブール2泊から。いつものように美術館・博物館、というより街とか建物を見よう、の方で、グランバザール、地下宮殿、アヤソフィア、トプカプ宮殿、ブルーモスク、くらいを回れればいいや、くらいで。

天気もよくて、これらはどれもすばらしかったの – 特にトプカプのカリグラフィーと衣装展示、考古学博物館 – だが、街を歩いていくなかで想定していなかったのが、にゃんこだった。あんなにうじゃうじゃいて、手を出したら寄ってきたりして転がってくれたり(噛んでも引っ掻いても許す)してくれるので、全然次のに行けない。みんなあの寄ってくる猫たちをどうにかしながらあんな建物を建てたり街を作ったりしていったのだろうか。いやそもそも戦争なんかできんよね(猫のために戦ったとか)。

美術館だと、Istanbul ModernでAli Kazmaと塩田千春を見た程度で終わってしまった。屋上のテラスも気持ちよいし、ここの地下の映画館、なかなかよい特集をやっているみたい。

グランバザールの古書店は、英語と仏語の古本もふつうにあって、でも古本は今の自分のとこをいい加減にしないと状態になっているので目を逸らして掘らないことにした。

サバサンド(Fish Wrap - Balık Dürüm)はもちろん、今回の旅の大きな目的のひとつであった。サバとイワシをそれなりに食べてきた者として、サバの可能性がどのような形で、しかも「ストリート・フード」としてどう実現されるのか。サバのやや尖った風味はスパイスやハーブ系の野菜によく合って馴染む、ただ問題は断片として散らばりがちなこれらをどう口内でまとめあげるか – なのでサバカレーのアプローチはわかる – だったわけだが、ここではこれらをトルティーヤの皮で包んで、巻かれたそいつを転がして焼きあげる、というすごいこと - 内側は蒸されるし外側はかりっとなるし – をやっていてこんなのをストリートでやっちゃうのは反則ではないか、って思った。骨とってくれるのはいいけど、皮はつけておいてくれても、とか。 トッピングのたれには醤油とかコチュジャンとかカレーとか.. だーかーらーストリート・フードなんだって。 野良になって食ってろ。

あと、一瞬思ったのだが、ロブスターロールって… 以下略。

ポリッジよりもこれの選手権やっているのであれば見たい。

というわけでまた行きたいよう。

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