1.30.2025

[log] Tokyo Jan.13-26

今回の滞在は約2週間だったのだが、真ん中の土日が病院だったので美術館も映画館もあったりまえに行けず、その他の日々、病院に行っていない時はふつうに会社で仕事をしていたし、ロンドンのオフィスが開く日本の夕方18時頃はあっち側とリモートでの打合せがあったりしたので動けなくて、夕方のだるくてとっとと帰りたくてたまらない頃にロンドン側は朝なのでみんな元気いっぱいで、そのやり取りの後で映画に向かう気にもなれず、体調に対する意識(たんに気持ちの問題)もあったのだと思うが、ほぼなんとなくもういいやー この次で、になってしまうのだった。 以下、見たもの感じたことなどの備忘。

『現れる場 消滅する像』 @ ICC

音のインスタレーションの方は割と普通だったけど、予約して入った無響室がおもしろかった。音が聞こえる、というのは反射してくるその響きを聞くことであって、間に響きの媒介がなくなると音は直接おのれの頭蓋骨を叩きにくるのだな、と。頭の上というか裏というか、その辺でぽかぽこ鳴ってくるのですごく変なかんじで、確かにひとによっては気持ち悪い、ってなるかも。
ここでふつうのロック - NINとか聴いたらどんなかんじになるのかしら? とか。


鳥展 @ 国立科学博物館

24日、金曜日の昼、検査と検査の間に3時間の空きができて、映画でも.. と思ったもののうまくはまるのがなさそうで、東京現代美術館の坂本龍一のは、次に来たときもやっているようだったのでパスして、上野に行けばきっとなにか、と思った.. 程度で。

途中で西洋美術館のモネの行列を見てげーっとなってこっちにした。鳥は見るのも遊ぶのも食べるのも好き。ちょうどこないだまでロンドンの自然史博物館でも鳥展やってて - “Birds: Brilliant and Bizarre” - でももう終わってしまった。サブタイトルにゲノム解析云々、とあったものの、飛べない状態で大量に並べられたり転がったりしている剥製たちを見ると、ゲノムだの系統だの、そんなのなんになるのだろう、くらいにはなる、くらいに鳥が群れて並んでいるのはざわざわくる。飛ばしてあげたい。


オーガスタス・ジョンとその時代—松方コレクションから見た近代イギリス美術 @ 国立西洋美術館 

モネ展はどうでもよかったのだが、常設展示のなかの小企画でやっていたこれは見たかった。こっち(常設展)のチケットなら4秒で買える。
SargentやSickertといった有名どころからChristopher Richard Wynne Nevinsonの「波」とか、おもしろい。

一点、Laura Knightの油彩があって、海岸の海辺で立っている女性の絵、Tate Britainの企画展 - ”Now You See Us: Women Artists in Britain 1520-1920”にあったのやつの連作だろうか、とか。 近代イギリス美術って、いろんな流派とかSchoolがあって、ほんとおもしろいのよ。

どうでもよいけど、わかんないけど、モネを好きな人って、アートに政治を持ちこみたくない系の人たちが多い気がする。


須田悦弘 @ 渋谷区立松濤美術館

帰国前日の25日土曜日の昼に見た。ちっちゃくてどれも素敵だったが、展示はここよりも駒場の日本民藝館とかのがよかったかも。
そんなふうに展示会場を選んでしまう作品たちだったかも。

Has Anybody Seen My Gal (1952) @ シネマヴェーラ

もし日本にずっといたのだったら、この特集と京橋のメキシコ映画特集はずっと入り浸りだったはず。新作だったら”Dicks: The Musical”と『オークション..』のと清原惟監督特集は見たかったのだがぜんぜん時間が。

せめてシネマヴェーラのあの空気に触れたくて、空いた時間に1本だけ。『僕の彼女はどこ?』
Douglas Sirkはこんな軽いコメディも作っていたのねえ、だった。
Rock Hudsonとかも出てくるけど、メインは富豪役のCharles Coburnで、どたばたおとぎ話みたいなやつだったがところどころでなんなのこのカメラの変な動き? みたいのが。


今回、レコード屋は行かなくて、新宿の紀伊国屋書店に2回くらい行っただけだった。

ロメールの鈍器本と、ジョン・バージャーの美術史2冊と、あと『図書館を建てる、図書館で暮らす―本のための家づくり―』。
日本で本を買ってもそのまま置いて(積んで)くるだけなのだが、これだけはこっちに持ってきて少しづつ読んでいる。

本はふつうに溜まる、でも片付けたり「処分」することなんてありえない、それらは等しく手に取れるところで並んでいてほしい(それが本というもの)、というベース、基本中の基本、に立ったときに、どんな現実解・選択肢がありうるのか、を正攻法で詰めてひとつひとつ実現していく過程は、いいなーしかない。

うちはレコードもあるしな、なによりそんなに先がないしなー、とか。

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