1月6日、月曜日の晩、Soho Theatreで見ました。
“HA”が7つ。 今年最初のシアターもの。
上演が21時からだったので、その前に映画”Nickel Boys”を突っ込んだらこれが(よい意味で)重くて、演劇だかパフォーマンスだか、そんなの見る気力体力ないわ、になったのだが、チケットを取ってしまっていたので、とりあえず行ってみる。
Julia Masli というのが人の名前なのか、なにかの組織なのかなんなのかまったく知らないで、後になってこの女性はエストニアから来たCrownである、と知る。
なんで見ようと思ったかというと、2023年のエジンバラのフリンジ - 演芸フェス - で評判になった、とあったから、程度。 前の方の座席に座ると彼女にいじられる可能性があります、と注意書きがあったのでそうではない上の方の席にしたのだが、割とすぐ横に来たよ。
ステージは暗め、マネキンの脚が転がっていたりややゴスっぽい、怪しげな占い師や祈祷師の部屋のイメージで、片手にマネキンの脚を装着して自分の顔を青でライティングして、ゆっくりと動きながら客の顔を見て、ひとりひとりに”HA HA HA HA…”って声をかけていく。最初は何をやろうとしているのかわからないのだが、ひとりがそれに応えて”HA HA”とかやると、それそれ、というかんじで個々の対面のやり取りが始まる。
ただの”HA HA HA.. ?”でも人によって返し方は本当にそれぞれでおもしろいのだが、その返しがなんか彼女のお気に召さなかった客は突っ込まれたり、彼女に椅子を取り上げられ、さらにそれをステージ上で粉々に叩き壊されたりしている。これだけ延々やっていても十分おもしろいのだが、これは挨拶で、続けて同様に「プローブレーム?」ってひとりひとりに聞き始める。そのイントネーションがちょっと東欧風にとぼけていてまたおかしいの。
返しはなんでもよくて「将来が暗い」とか言うと、仕事はなにをしてるの? って続いて、これがテンション高めだったりマツコみたいに突っ込むやつだったりすると微妙な空気になってしまうのかも知れないが、Juliaのやりとりは絶妙に客を真ん中に持っていく。
身体の調子があまり.. というと客席にお医者さんはいませんか? って声をかけるし(医者いた)、Exelが.. とか言うと会計士の人はいませんか? って手を挙げた男性をステージにあげてアドバイスをさせるし、眠れない、っていう人もステージにあげて簡易ベッドに寝かせてアイマスクにヘッドホンつけてリラクゼーションの音楽を流したり。 さっき椅子を壊されたひとは「椅子がない」ということだったので、彼もステージにあげて椅子の破片と工具一式を与えて自分で直しなさい、って - 結局彼は最後までずっと壊された椅子をとんかんしていた。プロブレームが解決するとよかったね、って2階席にいるスタッフがラッパを吹いて祝福してくれる。
たぶん事前の仕込みみたいのを少しはしているのかも知れないが、それにしても、あれだけの多様で雑多なプロブレームにあんなふうに咄嗟かつ絶妙に応答できるのとか、すごいなー、だったのと、あと、ひょっとしたらほとんどのプロブレームって”HA HA HA?”と同じくらいの重み/軽みでどうにかできてしまう - できた気になってしまう - ものなのかもね、ってそんな気づきのおもしろさと、悩みなんてさー、って。
約60分、ちょうどよい長さで年初のうざいあれこれをきれいに祓ってくれて、少しだけ気持ち楽になったかも。
1.15.2025
[theatre] Julia Masli: ha ha ha ha ha ha ha
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。