9.24.2024

[music] Elvis Costello & Steve Nieve

Elvis Costelloは先月70歳になって、先週見たRobyn Hitchcockも71歳で、年齢なんて...とか言いたくなくても自分も含めてもうあまり先の見えないどうしようもないところまできてしまった。会場にも杖をついた人がいっぱいいたが、どちら側も、いつそうなってもおかしくないことに備え、見れるうちに見れるものは見ておかねば、って。ふがふが。

9月22日、日曜日の晩、London Palladiumで見ました。ここでの2 daysの後のほうの。
最初の日はThe LIPA Hornsっていう管楽器団が一緒だったようだが、この日はThe Brodsky Quartetが一緒に。

前座はなくて、19:45にThe Brodsky Quartetが出てきて、先に彼らだけで少しやるのかと思ったら、Costelloもいつのまにか彼らの横に立っていて、マイクを手にして“Deliver Us”を歌いだす。彼らとの共演アルバム - “The Juliet Letters”からもう30年になるのか…

彼のライブはこれまでギター一本のからいろーんな形態のを見てきたほうだと思うが、Brodsky Quartetとのは見ていなかった。英国での公演で前回見たのは、2010年、Richard ThompsonがキュレーターだったMeltdown Festivalでのソロで、アンコールでRichard Thompsonが出てきて一緒に”The End of the Rainbow”を演ってくれたのだった。

このホールの弦楽器のすばらしい鳴りと、ギターを置いてマイク一本で歌に集中したときのCostelloのいろいろこめすぎて調子っぱずれになるところも含めた凄まじさを思い知らされた晩だった。スタンドマイクが右と左に2本づつ – 各役割は不明、真ん中にハンドマイクと、ギターを弾くとき用のスタンドと、過去にこのホールで公演したミュージシャンからコメディアンまで、彼らに敬意を表しつつそんな伝説になるのは今晩の自分だ、ってはっきりとポーズをとっていて、一曲ごとに立ちあがって拍手してしまう客も結構いたがそれも無理ないわ、ってくらい力強い。

個人的には、「19歳でこの曲を書いて、まだ書き続けているけど終わんないんだよなあーSteve?」って言って始めた”New Lace Sleeves”~” All This Useless Beauty”のあたりで泣いてしまう。 一番聴いていた頃のが”Trust”(1981)だし。

あとはBacharach との共作”I Still Have That Other Girl”からの”She”は、くさいなー、って思いつつもどうしようもない。あんなふうに弦を鳴らされたら。
ここまで、これ以上やられたらもう保たない、てなったあたりで第一部が終了。約1時間。

第二部は、照明がおちたらJazzmaster1本を抱えて左袖に立っていて、最初の一音でそれとわかってしまう”Alison”から、エンディングでギターを置いてそのまま”Over the Rainbow”を歌って、そのまま”(I Don't Want to Go to) Chelsea”に行くとか。お化粧直しをして、靴と胸のハンカチーフと帽子を揃いの赤にして(第一部での靴は金色)おしゃれだった。3つめの“Pills and Soap”でステージから消えたと思ったら通路に下りてきて割と近いところから反対側まで行って”I Can't Stand Up for Falling Down”をしつこいくらいわーわー歌って煽りまくる。

あとは最近息子にも言われたので哲学を勉強しなきゃいけないと思って、でも最良の哲学者はニューオーリンズにいるんだよ(御意)、って弾き語りでBobbie Gentryの”Ode to Billie Joe”とか、これ以外のカバーだと、Tom Waitsの”More Than Rain”とか。

ラストは今回のショートツアーでここだけ決まっているらしい”Shipbuilding”~ “(What's So Funny 'Bout) Peace, Love and Understanding”。 ”Shipbuilding”は戦争についての歌で、The Brodsky Quartetの弦が船を沈めるかのように包みこみ、“(What’s So Funny...”は、かつてのように痛快にふっとばすことを許してくれない。なぜこの2曲で締める必要があるのか、もちろんわかっているよね?

休憩を挟んでトータル3時間。これまで見てきた彼のライブは競演者の技を最大限引き出すべく立ち回るのと、(ソロの場合はもちろんそうだけど)その時のありったけのエモーションをぶちまけるのとふたつの方角があった気がするが、今回のは両方をものすごく過剰なくらい丁寧にやっていて、9月初のLeedsでの2日間、4セットで全キャリアを総括していたライブとあわせると、とにかく何かを残そうとしているようなかんじがあって。 まだいなくならないよね?おねがいだから..


さっき、同じ会場でNick Loweを見てきた。続けて書きたいところだが、もうむりー。

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