9.17.2024

[film] Blink Twice (2024)

9月11日、水曜日の晩、Curzon Aldgateで見ました。

最初に見ようと思っていた映画が時間が遅くなって見れなくなってしまったので、しかたなく取った、くらいだったのだが、割とおもしろかったかも。

Zoë Kravitzの(共)作・初監督作品。予告を見たかんじでは、ゴージャスな離島に集められたセレブ系の人々がなにかのきっかけで殺し合いを始める、サバイバル/サスペンススリラーのようなのをイメージしていたのだが、そんなシンプルではなく、女性から見た男たちのどんちゃん乱痴気騒ぎにいろんな角度からふざけんじゃねえよ!を叩きつけるものだった。Zoë Kravitzが2017年に書き始めた際のタイトルは”Pussy Island”だった、とか。

Frida (Naomi Ackie)は友人のJess (Alia Shawkat)とケータリング会場でバイトをしながらインスタのアカウント稼ぎをしているふつうの子で、Techビリオネアで不祥事を起こして冒頭でいろんな方面に平謝りしている映像が流れるSlater King (Channing Tatum)の正装パーティでやっちゃった… をやったらSlaterに優しく誘われて、Jessと一緒に彼のプライベートジェットで彼の持っている島に連れていかれる。

出演者はなかなか豪華で、Geena DavisがSlaterの秘書 - 最初に参加者全員のスマホを取りあげにくる、他に男たちはChristian Slater、Simon Rex、Haley Joel Osment、Kyle MacLachlanなど、テンション高い系、ぼんくら系、アイドル系、ずっとポラを撮っているの、紳士ふう、などパーティの備品のように一揃いあって、ゲストとなる女性たちはみんなきれい系、あとは言葉の通じない現地(ってどこ)島民の労働者たちなど。 目一杯ラグジュアリーなサービスを提供してくれるのなら言葉の通じるスタッフがいておかしくないのに(というあたりで気付くべきだったか)。 あと、Saul Williamsがちょっとだけ出てくる。

FridaやJessを含む招待された女性たちにとって、島での日々 – 部屋の調度から香水からディナーからいろんな飲み物まですべてが夢のようで、毎晩酔っぱらって高揚して、気がついたら朝~ とか、こんなのばっかりでよいの/これってなんなの? になってきた頃にJessが突然消えてしまって、なにかよからぬことが起こっているのでは? でもなんか記憶にないしおかしいな.. になっていく。

ここから先は書かないほうがよいかも、なのだが、男性たちの描き方と、女性たちの描き方の違いとか、すべてを仕切っているらしいSlaterのやや奥に引っこんだ振るまいとか、いろいろ。

Jeffrey Epsteinのやったあれとか、”Don't Worry Darling” (2022)にもあったのとか、パーティ・カルチャーのらりらりに女性の側からはっきりとふざけんじゃねーぞおら!の啖呵をつきつけていて、忘れる(忘れてくれる)と思ったらおおまちがい、ぜえったいに忘れないんだからな、っていうのと、公に謝罪のフレーズ言ってお辞儀すれば済むと思ってねえか?- こんなの謝罪だけで済むわけねえだろ、一生ぜったい許さねえからな、っていうのをどかどかばきばき何度も何度も頭蓋に叩きつけるので気持ちよい。 拳をあげる女性のひとりに”Hit Man”(2023)に出ていたAdria Arjonaさんがいて、彼女もすごくよいの。

Channing TatumはTech系のお金持ちにしてはほぼ最後まで木偶の坊みたいな不気味な役柄でなんかもったいないかも、と思っていたら最後のとこでよい味をだしてきた。一緒に暮らすZoë Kravitzからのてめーわかってんだろーな、なのかもだが、エンディングはあんなもんでよいのか賛否あるかも。

パーティが始まるなり抜け方の言い訳を考え始めるくらいに苦手で嫌いで、そんなパーティの嫌なところがぜんぶ詰まっていて、改めてロクなもんじゃないわ、ってしみじみ思った。なんであんなのやるんだろうねえ? とか。

日本だと、ああいうのやってた学生サークル中心に見せてやるといいんだわ。

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