9.22.2024

[film] To the Public Danger (1948) + Stolen Face (1952)

9月15日、日曜日の晩、BFI Southbankの特集 - “Martin Scorsese Selects Hidden Gems of British Cinema”で見ました。監督Terence Fisherによる中編と長編の二本立て。

To the Public Danger (1948)

43分。元はRadio playだったそう。
田舎の、他になにもないようなパブで最初のデートをしている男女がいて、そこにヤクザっぽい格好の男2人組がそういう車でやってくる。ひとりはぎらぎら漲っていて、もうひとりは最初から酔っ払っているのかラリっているのか。入ってきたふたりは男女 - 特に女性の方に目をつけて、一緒に呑もうぜ、って初めのうちはビリヤードみたいなゲームをしているのだが飽きてきたので場所を変えて呑もう! って、それに相手の彼を物足りなく感じはじめた女性が応えたので4人で車に乗り込んで何もなさそうな道を飛ばし始めて、既に酔っ払っているのではしゃいでぶっ飛ばしていたら自転車に乗っている人をはねてしまったようで、やばいじゃんとか言いつつもそのまま逃げてしまう。

唯一シラフっぽい彼が警察か救急車を呼ばなきゃ、とみんなに言うのだがだいじょうぶ誰も見ていなかったし、通報しておれらが酔っ払っているのがバレたらそれだけでしょっぴかれるぞいいのか? ってヤクザに凄まれて、さらにぼこぼこにされてしまうのだが、そのまま夜闇に紛れて逃げて、電話のあるところから警察に電話してもらうのだが…

そんなふうに彼ががんばってひき逃げ現場まで行き、それらしき家を見つけて警察と訪ねてみてもだめで、どうなっちゃうのか… になるのだが。

酔っ払い運転はだめよ、というこの頃からあるお話しなのだが、最後までどっちに転ぶかわからないはらはらと、あとはこんなふうに車に乗せられて巻きこまれたらどうしようもないよなどーする? って。

あと、自転車を轢いたか轢かなかったか、は最初に車を停めたところで見ればよいだけだったのに、それすらしなかったのは、それくらい酔っ払っていたから?


Stolen Face (1952)

72分。 Hammer Filmsの作品。
有名かつ優秀な整形外科医のPhilip (Paul Henreid) がいて、てきぱき仕切って万能なのだが忙しすぎてよろけたりするようになってきたので休暇に出るように言われ、その静養先の田舎の宿で風邪をひいて寝込んでいたコンサートピアニストのAlice (Lizabeth Scott) と出会って、ピクニックとかしたら恋におちちゃって、プロポーズしてみたけどだめ、って断られて彼女はヨーロッパのツアーに、彼は病院に戻る。

Philipは刑務所で収容者の社会復帰を促すプログラムで頬に残った大きな傷が理由で苦しんでいた女性Lily (Lizabeth Scott - 二役) のケアをして、その整形をする際に彼のなかで忘れじの面影だったAliceの顔をコピーしてしまい、それがあまりにうまくできたせいか、自分をふったAliceへのあてつけもあったのか、いきなりLilyと結婚する、って宣言して、周囲は彼女は過去にサイコパスって診断されていたしやめた方が、って忠告するのだがPhilipは自信たっぷりで聞かなくて、こうして最初は幸せに見えた結婚生活もLilyの浪費癖やぶちきれとか、かつての仲間との夜通しどんちゃん騒ぎなどで綻びはじめて、そんなさなか、PhilipはAliceと再会して…

お医者さんがそんなに外見 - 顔に拘って人の人生振り回して自分も振り回されてよいのか、というかそんなの自分は医者だからどうとでもできるってナメていたのか、なかなかすごいお話しだと思った。 (むかしブラック・ジャックにこんなふうな話なかったっけ?)Aliceにしてみれば自分の顔を勝手にコピーされてそのまま結婚までいくって、内面とか結局どうでもいいわけ? とかふつうは怒るのではないか。 (結末は予想できるようにLilyが破滅する/してくれるのだが、その後でPhilipがAliceと一緒になれるとは思えないよねえ)

Terence Fisher - 全然知らない監督だった - この後に”Dracula” (1958)や”The Curse of Frankenstein” (1957)を撮っていくのね - が、でっかい物語をつくる、というより変な巻き込まれとかツイスト & いろいろ突っ込める穴たちをうまく持ちこんでくる人だなー、って。 なかなか英国的、と言えなくもないような。

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