6.06.2024

[log] Primavera Sound Barcelona 2024 (3)

5月31日、金曜日、Primavera Sound Barcelona 2024のDay2。

午前中は、ゴシッククォーターの聖堂をまわって猫とか鵞鳥などをみていた。お昼寝の後、会場に着いたのは18:00くらい。前の日の夜更けに結構寒くなったので、物販コーナーでパーカーでも買おうと思ったのだが、好きなデザインのがなかったので、フェスのTシャツを買って重ね着することにした → 少しだけよくなった。 この日のはあっという間に時間が過ぎて、気がついたら25:00を軽くまわっていた。

Joanna Sternberg
真っ暗なAuditoriumでNYのSSW。Conor Oberstのレーベルからレコードを出しててPhoebe Bridgesも褒めていると。ひとりでギターをかき鳴らしながら、Jeffrey LewisやKimya Dawsonがもっていたあの味、歌いながらつっかえたら、それをまた歌にして、裏に表に延々止まらずにこんがらがって転がっていくあのスタイルを伝承する歌い手。一発で好きになる。
「こんなよい音のするとこでやったことないわ...」を繰り返していて、とてもチャーミングだった。

The Last Dinner Party
ロンドンでも大人気で2月のライブはぜんぜんチケット取れなくて、次のライブはでっかいところでやるし、とにかく堂々としていてかっこよくて、多少へたくそでもかまうもんか、見るがよい! の見栄と心意気、みたいなつっぱり系って最近あまり見なくなった気がしているので、もっといけー! って保護者の気分で眺める。でっかいとこがぱんぱんで、みんな目がハートになっていた。

Chelsea Wolfe

の途中で抜けて、ふたたび真っ暗なAuditoriumに向かう。この人については明るい野外でやるようなのではないしな、って。バックは3人で、プログラミングのも含めたぶっといボトムがどす黒くうねって呻いても叫んでも呟いても、すべてが粘土の塊りになってばちばち飛んできて、そこに息苦しくなるようななにかがなくて、美しく感じたりするところがすばらし。

Yo La Tengo
彼らのライブはいつ聴いてもなに聴いてもよいに決まっているので見てもしょうがないだろ、なのだが、つい足を止めてみると、結局そこでぜんぶ止まってしまうのだった。この3人のアンサンブルって、小さな小屋でもだだっ広い野外でも、それに応じて緻密になったり果てなく広がったり自在で自由で、夕暮れの空に"Tom Courtenay"がこだまして、その残響のなか"Blue Line Swinger"のイントロが漕ぎはじめると、こんなに気持ちよいことがあってよいのか、って叫びたくなる。夏休みの思い出は、この瞬間まるごとでもよいくらいの。

Faye Webster

Yo La Tengoの隣のステージで彼らが終わって暫くしてから始まる。2022年のPrimavera LAで見て以来の。
出てくる前にギターを抱えたミニオンのアニメが一瞬流れて、なにこれ? ってなるのだが登場した彼女は前と同様、すごく真面目に没入して音をだして歌う(もう少し愛嬌よくしても、とか言われたりするんだろうな)。前回印象的だった青い服は着ていない。バンドサウンドはより硬く、しなやかに強くなっていて、ひたすらその音のなかに溶けるように演奏していくところは変わらず。新譜、買っていないけど買わなきゃ。

Lana Del Rey
ついにこの人を見ることができた/できる、ってステージめがけてすごい人の大移動が。
こないだのコーチェラの演出がバイクで登場とか仕掛けがすごかったのは聞いていて、ああいうのが見れるかと思ったのだが、そうではなかった。ただ、規模の問題というより、この土地ではこうやろう - 彼女の音にある土地とか時代に対する拘りを思うと - と決めたのでそうしたのでは、というかんじがあり、全体としては淡く儚い夢の王国を漂う女王さまと臣下たちのイメージで貫かれていて、よく聴くとその完成度はものすごいのだが、悪くいうとライブのダイナミズムに欠けてて圧倒的に迫ってくるなにかがない、はあったかも。でもお姿を見れたのでよかった。どこまでもこれでぶち抜いていってほしい。

The National

Lanaの横のステージで終わってそのまま。昨年の夏にNYのMSGで見たツアーをまだ続けていて、バンドの音もMatt Berninger の狂ったおじさん振りも数段進化していたかも。つくづく独特の、おもしろい人たちだなあ、って。アルバムはずっと売れているのだろうけど、特異点のヒットやキラーチューンみたいのがあるわけでもないまま、音楽的にはより複雑に緻密に深化して、ライブサウンドの、特にドラムスのエンジン廻りの唸りがものすごくなっている。メタルやハード系の重厚巨大化とは異なる進化の道を歩んでいるようで、なにを聴いても新鮮 … なのだが結局はMattおじさんの挙動に目がいってしまう。 なんだろう … MorrisseyやJames Murphyといったおじさんたちのムーブとは明らかに異なる動機につき動かされているようで、でもなんも考えていないようでもあり、いやいや音がすごいし … を延々まわってしまうのだった。 俺たちはNYのバンドだ! こんな時間に自分たちはなにしてるんだ? って呟いていたのが印象的だった。


終わってトラムを待って、部屋に戻ったら軽く3時で、でも疲れはちっともなかった。 (実は今日あたりがいちばんだるくてしんどい)

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