6月10日、月曜日の晩、Picturehouse Centralでみました。
英語題は”Twilight of the Warriors: Walled In”、監督はSoi Cheang、今年のカンヌのMidnight Screeningで上映されたらしいが、アジア系のこういうジャンルのはなんの宣伝もされずに気がついたらやってて気がつくと消えてしまうので見ておこうかな、くらい。
九龍城が舞台のノワールでマーシャルアーツとサモハンが、というあたりで見よう、と。サモハン(今回は悪役)以外は見たことはあったかもだけど知らない人たちばかりだった。
80年代の香港にたったひとり移民として流れてきたChan Lok-kwan (Raymond Lam)はIDが欲しいので、港のやくざの親分Mr.Big (Sammo Hung)に取りいって仕事を貰うのだが、報酬として与えられたIDはバカにしてんのか、ていうくらいのフェイクで、頭きて傍らに置いてあった取引用ドラッグの袋を引っ掴んで逃げて、逃げる途中でMr.Bigの手下たちとやりあって、ぼろぼろにされつつも九龍城に逃げこむと、追っ手たちはそこで諦める。
床屋にいたそこの主っぽいクールで穏やかなCyclone (Louis Koo)と部下の信一(Terrance Lau)はじたばた暴れて威嚇してくるLok-kwanを一発で倒して、性悪な奴ではないかも、と彼の傷を手当して焼豚ご飯 - おいしそう - を与えて自分の手下にする。
こうしてLok-kwanは九龍城内で何でも屋のようなことをしつつ、信一たちと強い4人組をつくって子供のいる女性を殺したちんぴらをとっちめるなど隣組での結束を強めていくのだが、ある日CycloneはLok-kwanが仲間のDik Chau (Richie Jen)の家族を殺し、自分にとっても宿敵だった男の息子であることを知ってしまい、こいつを生かしておくわけにはいかない、ってなるのと、そこに将来の投機として九龍城がほしいMr.Big組が割って入ってきてLok-kwanの出自をネタにCyclone陣営を分断してシマ、というか城をまるごと頂いてしまえ、って乗りこんでくるのと。
逃れられない過去のしがらみと、現在の義父・義兄弟の絆と、やむなしの世代交代の波と、この辺はJohnnie Toぽく内側/外側 - ココロもカラダも - の痛みと情念を容赦なく叩きつけ - 主人公たちは全員ボロ雑巾となって擦り切れて疲弊しながら、ところどころの組手のアクションはカンフーっぽかったりする - 速すぎてもう追えないのに痛そうであることはわかる - のだが、Mr.Bigのとこの若頭のKing (Philip Ng)が気功かなんかやっててナイフとかも肌で弾いてしまうめちゃくちゃ強い奴すぎてなんだこいつ、になったり、最後の方で機関銃まで持ちだしてくるのは反則ではないか、とか。
結局は義理と恩と友情がやってきて - 全員黙って最後の闘いに赴いて… といういつものアレ(& ぜーんぶ男たち)で、九龍城に立て籠もって大爆発の全員玉砕、みたいにはならないのだった。
サモハンもちゃんと動いて闘ってくれるのだが、最近の彼らの代 - 老師扱いの人たちって、結局 - かっこわるくはないけど - しんじゃう役ばかりなのが切ない。こればっかりはしょうがないのか… 最後に風が巻き起こるところはなんかよかった。
あと、九龍城の現物はもうないのでどうすることもできないのだろうが、CGとセットばかりで、あとちょっと魔都のかんじとぐじゃぐじゃだったであろう建物内部を使ったアクションがほしかったかも。一度行ってみたかったなあー
どうでもよいけど、”Cyclone”の役名がアメリカのIMDBでは”Tornado”になっていた。やはりそうなるのかー。
6.15.2024
[film] 九龍城寨之圍城 (2024)
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