6.07.2024

[log] Primavera Sound Barcelona 2024 (4)

6月1日、土曜日のPrimavera Sound Barcelona 2024。もう6月に入ってしまった、というのとあんなに楽しみにしていて、実際に楽しくてたまんないのにもう最終日だなんて… がじわじわとやってきてかなしい。

午前はMercat de la Boqueria - 市場に行ってどいつもこいつもぜんぶおいしそうで見ていられずにやけ食いして、昼寝して、健康なんだか不健康なんだかわからん状態に納得いかず憮然とした脳を抱えて会場に入った。

The Lemon Twigs
遠くのステージだったので海を眺めながらそこめがけて走っていくシーンにとってもよくはまる初夏の音。初めて聴いて、70年代のWingsとか聞いていたけど、これはBig Starではないか、とか。昔はもっとこういうバンドいっぱいあったのになー。

Lankum
希望に満ちた日なたからまっ暗いAuditoriumに移って、ケルト系のSwansなどと言われている5人組のバンドで、トラッドと、少しノイジーで擦れたぶぉーんて音で圧してくるパートと半々で、どちらの塊りもスタイルとして十分こなれていて気持ちよいったら。これなら2時間でも聴いていられる。はっきりと”Free Palestine!” を訴えて喝采されていた。

Lisabö
再び野外で、こちらはバックにパレスチナの旗をでっかく掲げたハードコア – ツインベースにツインドラムス、もろDischord直のがりがりどかすかで、かつてFugaziと共演したこともあったらしい。Shellacのライブに触れることができなかった悲しみはここで。

Wolf Eyes
むかしむかし、NYのどこかで何度かは接していて、まだやっていたのか、って興味はんぶんで行ってみると、相変わらずすぎるノイズをびーびー鳴らしていた。死ぬまでやっていてほしい。そういえばこの日、22:00からPhewもあったのよね。

PJ Harvey
昨年9月にロンドンで見て以来。いまの彼女はぜったいにすごい、という確信があるのだが、始まる前に寝っ転がって空を見ているとぽつん、と数滴落ちてきてうそだろ? ってなり、彼女が出て来て歌いながら神々しく空にむかってポーズを決めた途端にしゃらしゃら降ってきて、はじめは無視していたのだがそういうレベルではなくなって、どこか雨宿りできるところは? って探してみると男子の小コーナーの上に布が貼ってあって、傘も雨カッパもない民はみんな避難していたのでそこに逃げる。音はじゅうぶん聴こえるし一部欠けるけどスクリーンも見えるし。なのだが、満員電車状態で全体に尿くさいとこにタバコの煙とビールのゲップの香りと、あとあんたらいいかげん井戸端会議をやめなさいよ! だったのだがしょうがない。フェスというのはそういうものなのかもしれんけど、みんなタバコとか葉っぱとかやりすぎだし、お喋りとかハグとかキスとか別のところでやって、しかなかった。

雨は歌っている彼女のとこにも来たようで少しステージ後方に下がったりしていたが、バンドの音も含めて新譜リリース直後のライブと比べるとものすごくよくしなって張る強い音と歌を響かせていた。いいかげん止んでくれないので“Black Hearted Love”の時と、Steve Albiniに捧げます、とギター1本でやった”The Desperate Kingdom of Love” - のに続けて”Man-Size”をやる…. 時と、“Down by the Water”の時は、おうおう溺れたるわ(やけくそ)、ってかんじで外にでて、でもやっぱり濡れるの嫌なので戻る、を繰り返していた。

で、ラストの”To Bring You My Love”が終わったとこで雨があがるのよ、ほんとに。 8月中旬にロンドンの西の方の公園である彼女のライブ、行こうかなー。

Bikini Kill
PJが終わって、濡れた状態で真ん中の方に戻ると屋根のあるフードコート一帯は避難民でぐじゃぐじゃにごった返していて、でも次はBikini Killだからがんばらねば、ってスタンバイしていると向こうで稲妻がぴかぴかし始めて、まさかねーと思っていると始まったのと同時にふたたび降ってくるの。雷つきで。

割と近いところに小便所ではない屋根があったのでその下から見ていたのだが、なんといってもBikini Killなので雨なんかしるかよ! って暴れている人々も結構いた。そして彼女たちの音のぜんぜん古くならないかんじってなんなのか、古くノスタルジックに聴こえるパンクとそうでないのの違いってどこのなんだろ? などについて考えたり。

途中で雨はあがってくれたのだが、この場所から少し降りたとこの同時間帯でやっていたAmerican Footballの塩辛みたいなギターが時折ぺりぺり聴こえてきて感慨深かった。

SZA
なんて読むのかもわかんなかったし、これまで聴いたことなかったので、どんなものかと、PJをやっていたステージの方に戻る。雨はもう来ないかんじだったが、雨のせいで地面に寝っころがることができないのがしんどい。

ものすごく洗練された - 洗練てなによ? って問いを吹き飛ばしてしまう肌理と自在さを湛えた高機能のソウル・ミュージック。むかしNYのPanorama っていうフェスでみたKendrick Lamarを思い起こさせるトータルな世界にぜんぶ盛ってぶちこんでしれっと歌いあげて、どう? って聞いてくる余裕までもれなくついてくる。こういうのってどうやって作るのだろうか?

本当はこの後のCharli XCXで27時くらいまでがんばるつもりだったのだが雨のやろうがはっきりと何かを奪ってしまったようで - かんたんに言うと疲れたので、降参して帰る。

今年のPrimavera Soundはここまで。
間違って空いてしまった日曜日は、手稿を求めてサラゴサの地に行ってみたりしたのだが、そのうち気が向いたらなんか書くかも。

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