6.27.2024

[film] Judex: Prologue (1916)

6月23日、日曜日の朝は前からわかっていたことだが雨で、がっくりだが出かけないわけにはいかない。上映は午前9時からで、映画祭の事務局があるBiblioteca Renzo Renzi della Cineteca di Bolognaの内なのか一部なのかの映画館Cinema Lumièreに向かう。 ”Cineteca di Bologna”ってヨーロッパ映画のリストア版上映の際に必ず名前が出てくるあそこ – ここが本拠地だったのかー。

この朝はここで、映画祭プログラムでDelphine Seyrig監督の”Soisbelle et tais-toi!” (1976)を見るつもりで予約していて、前の晩と同じくメールが来ていなかったのでその旨告げるとはいはい、ってシアターに案内されて席も貰って、時間が来たらGaumont Pathé ArchivesのManuela Padoanさんの挨拶がはじまって「?」となる。別プログラムの”Judex: Prologue”を上映する方に来ちゃったんだ、と気がついたのだが、”Judex”ならいいか… って。 今回の映画祭ではLouis Feuillade版のを向こう2週間かけてEP12まで全編上映していくらしい。この”Prologue”は40分で、ライブのピアノ伴奏はJohn Sweeney。リストアは2020年のものらしいがすばらしい画質 - 銀塩写真を眺めているかんじ。

プロローグなので、裕福かつ非道な銀行家Favrauxに我らがMusidoraがにじり寄っていくまで、その裏に何が蠢いているのか、これからなにをしでかそうとしているのか、ゆっくりととぐろが巻かれていく(誰によって?)、その奇怪さ禍々しさがたまらない。公開当時にこんなの見た人は、ぜったい次を見に行ったに違いないし、こういうのって先を見れない辛さが後からじわじわやってくるのだが、我慢するしかない。

上映後、映画祭事務局があるところのショップで記念になんか買おうかと思って寄ってみたら、映画祭のグッズだけじゃなくて、映画に関する書籍、古書とかLPとかDVDとかポスターとかがごっちゃり蚤の市みたいに並んでいて、これは足を嵌めたらやばいやつだ今すぐ脱出するのだ、って脳に指令を送るのだが、Louis Feuilladeの催眠術みたいのが効いていて足が… (でも買わなかったよ。えらい)


この後のパルマも含めたあれこれ、+前日の は以下簡単に。

MAMbo - Museo d'Arte Moderna di Bologna - ボローニャ近代美術館

Cineteca di Bolognaの近くで、この中にあるmuseoMorandiのMorandiコレクションと写真家Mary Ellen Bartleyによる企画展 - ”Morandi’s Books”がとてもよかった。Morandiの静物のあのトーンのなかに置かれ、彼の絵のなかの静物と化してしまった本(ガスケのセザンヌとか)たち、の決まりようときたら。

パルマへは電車で1時間強、12時少し前に着いて、線路脇に豚さんとかいないかしら、って見ていたけどいなくて、到着しても思うのは豚さんのことで、つまりとにかくなんか食べたいのかも、と開いていたリストランテに入ってProsciutto di Parma(ほんとはProsciutto di San Danieleのが好き)の30ヶ月ものがふわん、と載せられたお皿と、同じく軽くふわんと揚げられたパン(ドーナツって言ってたけど)と、パスタは昨晩食べたし、ってRisotto alla Giuseppe Verdiを戴いたらものすごくお腹が膨れて、これではいけない、とレモンのセミフレッドを頼んだりしたら軽く1時間が過ぎてしまった。おそろしい。1週間いたら10kg肥えても不思議ではないかも。

Galleria Nazionale di Parma – 国立絵画館

考古学博物館から繋がっていて、経路も厳格に美術史を巡るようにコースが決められていて、ダ・ヴィンチの“La scapiliata” (1506-08) が見れれば十分だったのだが結果的にぜんぶ回ることになり、前の日に行ったPinacoteca nazionale di Bolognaに続いて宗教画とかいろんなイコンに浸かることになったのだが、ぜんぜん悪くなくて気持ちよいくらいで、この感覚ってなんなのだろう、と。


Pinacoteca nazionale di Bologna – (これも)国立絵画館

22日、フォルリのサン・ドメニコ美術館から戻って、ホテルに荷物を置いてから歩いていった。
ジョットの部屋があり、ラファエロがあり、カラッチがあり、グイド・レーニがあり、フレスコ画がいっぱいあり、美術館というより寺院のなかを巡っていくかんじで、ものすごく気持ちよかった(なんて言ってはいけないかもだけど)。バルセロナのカタルーニャ美術館のなかを歩いていくのもこれに近いか。
同じチケットで入れると言われたここの別館も夕方行ってみたのだが、Technical issueとかで閉まっていた。

Basilica di San Petronio - Basilica Patriarcale di San Domenico

ボローニャのこれらの聖堂も見つけると入って眺めて拝んでお祈りして、を何度でもする。お祈りすることはありすぎるくらいある世の中なので、ずっとお祈りして平伏している。

あと青果市場 - Mercato delle Erbe で我慢できずにイチジクを買って食べたら中味がほぼジャムだった、とか。

全体として、とにかく時間がなかった、というか無駄なロスが多すぎた。モデナも行けなかったし。
来年は映画祭に照準を絞って、朝から晩まで映画を見まくる、というのをやりたい。Primaveraもここでやればよいのに。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。