6.05.2024

[log] Primavera Sound Barcelona 2024 (2)

5月30日、木曜日のPrimavera Soundのこと – これが初日。

この日の午前はHospital Sant Pauに行ったり、The Museu del Disseny de Barcelona - Design Museumに行ったり、普通に観光して、宿に戻って2時間くらい昼寝してから。

Renaldo & Clara
まずはバンド名に惹かれる。もう夕方だけど朝方の清々しさ。バンド紹介の欄にはSaint Etienne ぽい、とあったが、そっちよりもなんとなくDevine and Stattonを思い出したり。

Shellac: Listening Party
最初はArab Strapのステージで始まるのを待っていたのだが、セッティングに時間かかりそうだったので、海辺の端っこに作られたSteve Albiniステージに向かう。ステージにはドラムセットとアンプがあったので、誰か出てくるのかしら? と思ったが出てはこなくて、新譜(?)からの音を爆音で流しているだけなのに気持ちよく、ステージ上で幽霊が暴れまわっているような印象 - 暴れまわる、というよりAlbiniがただ腕を組んで黙ってそこにいるかんじか。この音だとライブではどんなにか… などを思う。

Arab Strap
5人編成でバンドアンサンブルを聴かせていて、あまりに普通のバンドの音だったのでそちらの方に驚いたりした。人もいっぱい集まっていて、密室向けの変態バンドだと思っていたのに..

Lambchop
変なおじさんバンドが3つ続く。真っ暗なホールで、ステージ上にあたるスポットは3つ。ピアノとドリンクカウンターと、マイクスタンド。ノリはクラシック音楽のそれで、喋っている人には「シー」がとぶ。前回(確か2017年)、ロンドンでこのバンドを見たときは、白の野球帽に白い衣装でヒップホップだかハウスみたいなのをぴょこぴょこ跳ねながらやっていた。今回のKurt Wagnerは場末のクラブの演歌歌手か、クラシックでエレジーを歌うか、そんなふうで、歌を聴かせたいのはわかるけど、なんなのあんたは…

Blonde Redhead
これも変なおじさん系かも。最後に見たのは00年代のBowery Ballroomだったような。
硬いアンサンブルと柔らかめメロのせめぎ合い、その絶妙に気持ちよいバランスは変わらず、でも少しだけ柔らかくなったかな、くらい。一緒に歳をとっていくのが楽しみなバンドのひとつか。

Amyl and the Sniffers
Primavera LA 2022のときはまだ元気いっぱい新人枠だった気がしたが、もうでっかいステージでも風格・安定の暴れっぷりで、気持ちよいったらない。バックも開き直ったかのようなThe Stoogesのごりごり一本やりで微笑ましい… どころではなく、強靭な渦を巻き起こしてぐるぐるかき混ぜるだけかき混ぜて、あとは放っておくとその渦の中心でAmyが右に左に走り回って、どこに行くのかわからないけど止まらない。

Vampire Weekend
Amylのやっていたステージがたぶん一番でっかいやつなのだが、その隣のも同じくらいにでっかくて、ふたつのステージはプロジェクションも共有 – 真ん中のでっかいスクリーンは両側から見れるので、待っている間でも退屈しないし、暴れて疲れて移動する気にならなくても楽ちん - だし終わったらすぐ隣にスイッチできるようになっているのはよいこと(見たいのが繋がっている場合は)。

Vampire Weekendもデビュー当時にBoweryで見て以来かも。学生のアート系の生真面目さって成熟したらつまんなくなってしまいがち、と適度な難癖つけて聞いてこなかったのだが、明らかに初期のとわかる硬めのと最近のとわかるしっとりと巧いのが入り混じっていて興味深い。背後のビジュアルがいろんな古今のアート作品をぱたぱた映していくのが楽しくて、でも音よりついそっちの方に目がいってしまうのはー。

Beth Gibbons
彼女のライブは2003年にBrooklynでソロ – Talk TalkのRustin Manと一緒の - を見て以来。あと、2019年に”Henryk Górecki: Symphony No 3 (Symphony of Sorrowful Songs)”をリリースした時のライブもフィルムで見て、ついこないだ(5/7)も、Barbicanで”Portishead live at Roseland NYC “(1997)の上映があったばかりだったので、そんなに時間の経っているかんじがしない。パーカッションや弦を入れた厚め大きめの編成をバックに、複雑な織物のような音に自分の声をまぶして練りあげていくかんじ。少し背を丸めて、絞りだすように声を放って、それは織物の糸になるのかそこに火を放つのか、など。そこに張られるテンションは変わらず。

Pulp
まだ見たことなかったので絶対に見逃したくなかった。昨年のBlurよりも強く見たいと思った。
“I Spy”で満月の上に乗ってきめきめのポーズで登場して、”Disco 2000”で思いっきりぶちあげてから、あとは好きなように - ヒットメドレーで固めてお祭りにすることもできたであろうに、そうはさせずじりじりとゆっくりと最後の(ではなく、アンコールでもう一曲やったけど)”Common People”にもっていく。なのでここに到達してからの弾けっぷりときたら半端なく、みんな好き勝手な動きでぴょんぴょん跳ねて歌ってて、それらを見ているだけでたまんないのだった。

あと、昨年亡くなったベースのSteve Mackeyを悼むメッセージに続けて、もうひとりのSteve - Albiniに対しても..

夜中は相当冷えることがわかったので明日以降の対策を考えつつ、戻ってばたん。

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