5月11日、日曜日の夕方、CurzonのAldgateで見ました。
Ang Leeによる同名映画(1993)-未見- のリメイクで、監督はAndrew Ahn、脚本は監督と、オリジナル版でも脚本を書いていたJames Schamusの共同。今年のサンダンスでプレミアされている。
Angela (Kelly Marie Tran)はパートナーのLee (Lily Gladstone)とシアトルにあるLeeの大きな家で一緒に住んでいて、その家のガレージにはAngelaの親友のChris (Bowen Yang)とその恋人のMin (Han Gi-chan)がやはり一緒に暮らしている。
AngelaとLeeはまだ結婚はしていないが仲がよくて、Leeは体外受精(IVF)でふたりの子供を持とうとしているが2回目が失敗して費用も高額だしもう無理かも、って悲しんでいて、学生ビザで滞在しているMinはChrisと結婚してグリーンカードを、と思っているが、結婚したら韓国で財閥をやっているMinの実家にゲイであることがバレて大騒ぎになる、そんなふうになってまで結婚したくない、とChrisが返して全員がどんよりしたところで、Minが、AngelaとMinが偽装結婚すればそのご祝儀とかで3回めのIVFができるし、自分のグリーンカードも得られるじゃん!て提案して、どうにかそっちの方に動きだしたところで、Minの祖母のJa-Young (Youn Yuh-jung)が孫の婚礼のためって突然ひとりでシアトルにやってくる、と… 。
移民の事情、ゲイカップルの事情、Angelaと彼女の抑圧的な母の関係、Minの祖母を含めたお家の事情、それらを包んでいるアメリカ、いろんな事情が複合で絡まってこんがらがっているのを「結婚」いっぱつで解消・解決してしまう、って、その渦中にいてこれらを一番シリアスに切実に思っている彼らが、そんな簡単に決断して実行できてしまうものだろうか、と思うのだが、その外側にいる人たちからすれば、「コメディ映画」としておもしろおかしく見れてしまうのかも。
実際、現実から目をそらしてしまえば、全員演技はとてもうまくよくできていて、笑えるところも結構あるし、韓国の挙式の異文化も覗くことができるし、よかったねえ、になる。こういうどたばたの中にあってもLily Gladstoneの存在感はやはりすごいと思うし、Bowen Yangはやはりシリアスな演技もできることがわかったし、”Minari” (2020)のYoun Yuh-jungは問答無用だし。
結婚式のシーンでメイクしたAngela - Kelly Marie TranにPadméみたいじゃん! って言うシーンはやはりおおっ、ってなるよね(SWネタ)。
あと、祖母が来るので、家にあるゲイ的なもの(大量にある)を大慌てで片付けようとするシーン。もっとゆっくり見たかったかも。
Vingt Dieux (2024)
5月11日、日曜日の昼間、↑の前にCurzon Bloomsburyで見ました。
フランス映画で、英語題は”Holy Cow”、監督はこれが長編デビューとなるLouise Courvoisier。昨年のカンヌの「ある視点」部門で上映されている。
フランスのJuraに、酪農家の息子で18歳のTotone(Clément Faveau)がいて、近所の仲間たちとぷらぷら遊んで過ごしていたら祭りの晩に父親が突然自殺してしまい、幼い妹とふたりきりで残されてどうしよう、ってなるのだがComtéのチーズのコンテストで優勝すれば大金が入るぞ、って聞いて、自分たちでもやってみよう、と思いたち、よい牛乳を出しているという農家の娘と仲よくなって牛乳を裏から盗んだり、見よう見まねでやってみるのだが..
欧州(ではないけど、近いところ)に住んでよかったと思うことのひとつはものすごい種類のチーズが簡単に手に入ることで、フランスだけじゃなくてイギリスのチェダーもブルーも山羊も羊も驚嘆してしまうのがいっぱいあって、何をどれだけ食べたって名前とか憶えられるものでもないので、都度のバゲットさえあれば無限に幸せになれる。そしてこれでワインが飲めたらかんたんにヒトのクズになれる。
で、なかでもComtéは特別で、Borough Marketにいけば、12ヶ月24ヶ月36ヶ月ものの食べ比べができたりして、それぞれ風味がぜんぜん違うし、M&Sなどのスーパーで売っている安いComtéでもおいしかったりするので、化け物だと思うのだが、これって認定とか結構大変じゃなかったんだっけ? と思ったら映画もやっぱりそこでぶち当たって簡単に終わってしまうのだった。
チーズ作りの何が大変で、何が魅力的なのか、とかをもう少しきちんと描いてくれてもなー、とか思った。
これじゃどん詰まりの若者が”Holy Cow”って言って終わっちゃうだけの映画じゃん.. とか。
5.21.2025
[film] The Wedding Banquet (2025)
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