5.24.2025

[film] The Accountant 2 (2025)

5月12日、月曜日の晩、CurzonのVictoriaで見ました。

前作では、会計士なのに「コンサルタント」って、屈辱としか言いようがない邦題を付けられてしまった2作目も同じタイトルでいくのだろうか? 誰も気にしていない? そんなわけないだろ、主人公のキャラクターは会計士だからこその - 常に緻密に計算して先を読んで最後に帳尻を合わせる – に沿ったもので、(最近の傾向として顕著な)有象無象なんでもありのコンサルとは職種としてぜんぜん違うんだから。

などと言っても前作”The Accountant” (2016)がどんなだったか殆ど憶えていなくて、それでもぜんぜんだいじょうぶなやつだった。 自閉症の会計士が凄腕の殺し屋なの。

原作Bill Dubuque、監督Gavin O'Connorは変わらず、撮影Seamus McGarveyも同じ。音楽はMark IshamからBryce Dessnerに変わっている。今年のSXSWでプレミアされた。132分、ちょっと長いかも。

冒頭でFinCEN(米国金融犯罪取締局?)の局長のRaymond King (J. K. Simmons)が殺し屋ぽいAnaïs(Daniella Pineda)と接触して写真に写っている家族を探すよう頼んだ後、待ち伏せしていた組織に撃たれて亡くなって、彼の腕に「Accountantを探せ」って書いてあったのを見た部下のMedina (Cynthia Addai-Robinson)が”Accountant”であるChristian Wolff (Ben Affleck)にコンタクトして、写真の家族がエルサルバドルからLAに来て、その背後に魚屋を頂点とした大規模な人身売買組織があるらしいことが見えてくると、こいつはやばいかも、と思ったのでさすらいの殺し屋をやっていた弟のBraxton (Jon Bernthal)を呼び寄せて、Anaïsは何者か、みたいな謎解きも少しはあるものの、後半はほぼ血も涙もないドンパチがどんどこ。

冒頭、マッチングアプリのアルゴリズムを解析したChristianがお見合い大会の現場に参加してえらい目にあったり、IDの特定とか敵の動きを探るのにニューハンプシャーの施設にいる自閉症の子達のハッキング集団(ややX-MENぽい)がリモートで兄弟を助けたり、前作よりは厚めで少しコミカルな色付けがされて、Ben Affleckも楽しそうに演じているようだし、ふたりだけで組織をぶっ潰していくところの派手めの突撃ムーブは昔の大風呂敷アクションもののようにも見える。なんでもかんでも端から虫のように殺していくJohn Wickの荒唐無稽さとはちょっと違う。

ただここまで武闘シーンがほとんどを占めてしまうと、彼がそもそも会計士である意味ってなんなの? になってくるかも。世を忍ぶ仮の姿、とか言ったってどっちにしても忍んでいるのだし。

“3”はAnna Kendrickが復帰するのであれば、やはり見たいかも。


Ocean with David Attenborough (2025)

5月13日、火曜日の晩、CurzonのMayfairで見ました。

Curzonの映画館チェーンの起点、この古くて大きな映画館もついに閉鎖が発表されてしまった。貴族の観覧席があったり、モダンクラシックな内装が素敵で大好きな映画館だったのにー。 観客が自分ひとりのことが過去3回くらいあったのでやはり客が来ないとしょうがないのかー。

Sir David Attenboroughの大自然ドキュメンタリーのシリーズはBBCでしょっちゅう見れるし、見ているのだが、これは彼の99歳の誕生日と6月の国連のWorld Oceans Dayに向けて、海での乱獲をやめよう、を明確に訴えていて、海も魚も好きだけど、乱獲はやめるべきだと思うのでー。

という太く強いメッセージはあるのだが、まだ明らかになっていないところの方が断然多い「海」として覆われている/覆っている世界の驚異と不思議が沢山切り取られていて、それを見ていく前半部分だけでも盛りあがるのと、後半では産業による乱獲で荒らされても守ったり人が手を引けばきちんと戻ってくる、っていう別の驚異が描かれる。楽観できるものではないし、その根拠も乏しいと思うけど、いまのままだと先がない。温暖化もそうだけど。

いま乱獲万歳をやっている企業の偉い人たちは今の業績&自分の先は短いからどうでもいい、のだろうが、最近は本当にそういうのが、そういうのに同意を求められるような空気も含めて嫌になっていて、サスティナブルとか、企業貢献の枠でしか見ようとしない企業人とか団体とか、みんな海の藻屑にだってお断りだから消えてなくなっちまえ、って。

この映画のDavid Attenboroughの柔らかいけど厳しい表情と迫力はなかなか迫ってくるものがあって、見習いたい。がんばってね。

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