このたびはこれのために日本に来たので、逃げたり隠れたり蒸発したりするわけにもいかず、着陸して3週間、どんより冴えない悶々の日々を過ごしてきて、ついにこの日、というかこの週、が来てしまった。
治療してよくなる、健康になるのだから、という大義はあるものの、これまでの日々の暮らしで具体的に痛みや苦痛や不便を感じてきたわけではなく、手術の後もはっきりとよくなった、万事快調! と感じることができる類いのものでもなさそうなのだが、でもその真ん中の手術と術後しばらくの間ははっきりと痛いし気持ち悪いし辛くしんどいものになるであろうことは前回の検査入院でようくわかっていたので、体感レベルでは高いお金を払って泊まりがけで痛いめにあいにいくようなもので、なにひとつおもしろくないし、でもだからと言って泣いたり騒いだり逃亡したりするのは子供のすること、というのもわかっている。
あとはこの先、もう老いたぽんこつなので、これと同様のことが別の部位で起こらないとも限らず、多かれ少なかれそんな痛みが裏に表に本人にはどうすることもできないオセロみたいな陣地とりを繰り広げていくことになるであろうことを思うと、せめてきちんと記録くらいはとっておこうかな、という備忘を。
病院は10時に入院受付ということでその時間に入った。周りには開いた桜がぽつぽつ。
病室は667で、666だったら素敵だったのになー、ちぇっ、など。
サインしたいろんな誓約書を渡して、引き換えにいろんなルールの説明を受けて(ここまで来たんだからじたばたしないで観念して言うこと聞け)体重血圧測って採血されて(針6回刺してやっと)、パジャマを借りて、本日はそのまま病室でお過ごしください、って言われたのがお昼前。
最初のお昼は天ぷらそばで、昔の給食のソフト麺みたいに温かい蕎麦つゆを蕎麦の容器に入れる方式で、翌日の手術以降しばらくは食べれなくなるらしいのでありがたく頂くのだが、量が少ない… のと、あと12時間くらい、映画館にも美術館にもお花見にもいかず、静かにこの部屋で過ごせと? (だからあんたは病人だって言ってるだろ)
でも見張られているわけではないので、外に出て近くの古い教会を見たり桜を見たり駅の方のお店に行ってみたのだがどこも日曜日で閉まっていて、あんまりにもつまんないので下のコンビニで「金のアイス あずき最中」を買って部屋で食べたり。
今回、あまり選ぶ時間がなかったものの、本は『目白雑録Ⅲ 日々のあれこれ』(中公文庫版)と『ショットとは何か 歴史編』と『灯台へ』(文庫版)を突っ込んできていて、個室にはTVもDVDプレイヤーもあるのだがちっとも見る気にはならないのでだらだらうとうとしながら読む。「目白雑録..」には老いと病と病院についていろいろ書いてあってリアル病室で読むと枯れた臨場感がたまらない。
晩ご飯は18:00に来て、翌日からは点滴になるのでこれがラストフィジカルご飯、なのだが鮭の切り身と粉ふき芋となめこおろしとご飯、って少なすぎてこれだと夜中にわなわなが来てしまう気がしたので、パジャマから普段着に替えて下のコンビニに降りたら日曜日は17:00で閉まっていてこんなのコンビニじゃないじゃん、って泣きながらそういえば4階に食べ物の自販機があった気がしたのでそこに行ってシュークリームとフルーツヨーグルトを買って食べた。
4.06.2025
[log] March 30 - April 6 (1)
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