4月24日、木曜日の晩、BFI Southbankの4月の特集 –“Bong Joon Ho: Power and Paradox”で見ました。 – これもぜんぜん追えないまま終わってしまったのだが1本くらいは、と。
原題は”괴물”、英語題は”The Host”、邦題は、『グエムル-漢江の怪物-』、冒頭にフィルム・クリティックで英語字幕も担当しているDarcy Paquetさんのイントロがあった。
この映画は見ていなくて、日本での公開時はアメリカから戻ってきたり、戻って会社を辞めたりいろいろあったことを思いだした。Bong Joon Hoによる怪物映画(怪獣というよりは怪物?)。
2000年頃、白衣を着たアメリカの科学者がやばそうな薬品(毒物)の瓶を部下の韓国人に強く命じて何百本もシンク→漢江に破棄をして、やがてその部下は橋から飛び降りてしまう。
2006年に、漢江の河べりの公園で露天商をやっているGang-du(Song Kang-ho)と父のHee-bong(Byun Hee-bong)がいて、川から突然現れた怪物が人々を襲い始めてパニックになり、あたふた逃げまくるのだが、Gand-duの娘のHyun-seo(Go Ah-sung)は彼が手を離した隙にさらわれてしまう。 - 他にも大量の犠牲者がでて、その共同のお葬式にGang-duの妹でアーチェリー選手のNam-joo(Bae Doona)や弟のNam-ilもやってくるのだが、突然防護服を着た政府関係者が現れて消毒液をまいて、そこにいた全員を隔離して、政府は怪物が未知のウィルスをまき散らした、と発表する。
ところがどっこい生きていたHyun-seoがどこかの下水道から携帯でGang-duにきれぎれの電話をかけてきたので、それを知ったGang-du一家は隔離先から抜けだして、どうにか彼女を見つけだそうとヤクザにコンタクトしたり手を尽くして、そこに怪物と情報を封じ込めたい政府も絡んでぐしゃぐしゃの救出と逃走の展開に - 相手は政府なのか怪物なのか大して変わんないのか – になっていくの。
Bong Joon Hoの映画って”Parasite” (2019)とこないだの”Mickey 17” (2025)くらいしか見ていないのだが、家族 - 疑似家族的な繋がりも含めて、その内と外の緊張関係が形成されいつの間にかどこかに線が引かれてて、その結線がやがて切れる・壊れる、その際のどっちにつくのか、捨てるのか、の生きるか死ぬか or 一蓮托生のような選択が、必ずしも勝ち負けだけではない何かとしてべったり残って、どうするそれでいいのか? を常に問うてくる – この辺が”Power and Paradox” ということなのか。そういう経済的なところも含めた選択 - リアル vs. フェイクの積み重ねが、結果的にあの怪物を生んだ(怪物として出てきた)、とは言えないだろうか。
怪物は明らかにCGで、そんなにお金をかけていない00年代のCGなのではっきりと残念な出来だし、アメリカの腹黒い関与を濁していたり、政府の企てもなんかぼけていたり、そういう中であの家族の過剰な暴走ばかりが浮かびあがって... などなど、怪物映画としては欠点ばかりが目につくのだが、コロナやセウォル号沈没事故や東日本大震災を経た今、怪獣の造型も都合悪いことを隠す奴らの姿かたちも相当リアルにイメージできるようになった今、リメイクしたらぜったいおもしろくなるであろうことは見えている。日韓共同ですごいやつをやってくれないものか。
河べりに立つGang-duの遠くの岸辺に怪物が上陸して人を襲い始めて、こちらにやってくるところのカメラの動きはクリップでよく見るけど、やはりすごいわ、っていうのとBae Doonaが弓を放つとこは、最初からわかっちゃいるけどかっこよいねえ、と。
後から振り返ってあれはなんだったんだろうってなりそうな、みんなで雑魚寝している時に見る悪夢のような、B級のいろんなことが怪物を中心にうまくパッケージされているような。 すぐ朧になるので後で何回でも見れるやつ、と思った。
いろいろあった4月が過ぎていく。1ヶ月前、生き延びられるとは思わなかったねえ.. ありがとう。
4.30.2025
[film] Goemul (2006)
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