4.25.2025

[film] Such Good Friends (1971)

4月21日、月曜日の午後、”Warfare”でへとへとになった状態で、BFI Southbankに移動して見ました。

ここの4月の特集 – “You Must Remember This Presents... “The Old Man Is Still Alive””からの1本。

我々の大好物で、誰もが「名作」と讃える30~50年代ハリウッドのクラシックを作りあげた問答無用の巨匠たち – John Ford, Howard Hawks, Fritz Lang, Vincente Minnelli, Alfred Hitchcock, George Stevens, Billy Wilder, Henry Hathaway, George Cukor 等々は、彼らの「晩年」と呼ばれる60-70年代 - スタジオシステムが変わり、テクノロジーが変わり、検閲のコードやジャンルの枠組みが変わり、人種やジェンダーに対する社会の考え方が変わっていく中、どんな作品を作って「適応」したりしていたのか? 実際に見て確認してみましょう、という特集。このレベルの監督たちであれば、個々の作家論、作品論から個別に語っていくのが筋というもので、こんな特集で大括りにする意味があるとも思えないのだが、なんかおもしろそうなので見たい。

と思ったのだが、こういう特集の場合、各作品で期間中2回くらい上映があって、うち一回は専門家や批評家のひとのレクチャーがついて、でも戻ってきたのが月の後半なので、解説付きのはほぼ終わっていて、残りのも時間が…

邦題は『男と女のあいだ』、監督はOtto Preminger – これが最後から3番目の作品、原作はLois Gouldによる同名小説(1970)、脚本はEsther DaleとクレジットされているがElaine Mayのこと、更にここにはuncreditedでJoan DidionとJohn Gregory Dunneも関わっているそう。 かっこいい女性の下半身ポスターはもちろんSaul Bassによるもの。

マンハッタンに暮らす主婦のJulie (Dyan Cannon)がいて、旦那のRichard (Laurence Luckinbill)はアートディレクターで子供向けの絵本を描いたりしていて、ふたりの子供と家政婦もいて、セントラルパーク沿いのアパートで、そこそこ裕福な暮らしをしているが、ふたりでパーティに参加した時やベッドで寝る時の様子などから夫婦関係はなんとなく微妙であることがわかる。

首のほくろを除去する簡単な手術でRichardは入院して、家族の医者Timmy (James Coco)は手術はうまくいって全く問題なかった、というのだが、次の日に少しだけ輸血をした際の反応がよくなくて昏睡状態になった、と告げられ、日が経つにつれこんどは血液の全とっかえとか、更には臓器不全とか、問題ないから、を繰り返す医者の反対側で彼の容態はシリアスになっていって止まらない。

落ちこむJulieを慰めようと家族の友人Cal (Ken Howard)が会ってくれたりするのだが、彼のGFのMiranda (Jennifer O'Neill)がずっとRichardと関係を持っていた、とかいうのでうそー、ってなり実母に相談しても埒があかず、Miranda本人に会って話してみるとあっさり認めて、彼とは愛しあっているし結婚の話もしている、そこまでは行かないかもだけど、とか。

混乱したJulieはRichardの評判を貶めてやれ、ってCalと寝ようとするもうまくいかず、Timmyのところに行ってみたら、Richardの他の浮気情報がでるわでるわで、アタマきてTimmyを脱がせてやってしまおうとするがうまくいかず、あーあ、ってなったところでRichardのメモ帳を見つけたら、そこには更にいろんな女性との関係の記録なのか予定なのかが暗号や符号でわんさか記載されていて、どうしたものか... ってなったところでRichardはぷっつりと亡くなり向こう側に行ってしまう。

長年に渡って相手(夫)の女性関係などを全く知らなかった、という不条理やそれに起因する敵意や憎悪を描くというよりも、そういうことを全く知らず、或いは教えずに済んでしまっていた“Such Good Friends”のサークルの緩いありようを描いて、変なのー、と思ったがドラマとしてそんなに変なかんじはなかったかも。ただ人物の造型などは、東海岸というよりは西海岸ぽいかなー、くらい。 SATCまで行くにはここからあと30年必要だった、と。

監督はJulieの役をBarbra Streisandにやって貰いたかったようで、確かに主演よりも脇役の方が印象に残ってしまう、という弱さはあったかも。
 

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