7.21.2012

[film] Convoy (1978)

15日の日曜日は京橋でした。

NFCがこんなのやるんだー、と誰もがへええーになった特集 『ロードショーとスクリーン ブームを呼んだ外国映画』。
まあ行くよね。 TSUTAYAに行けば借りられるのかもしれないが、最近の名画座はこんな半端なやつなかなかやってくれないし。
MOTの特撮のと同じく元気をなくしている中年たちを回顧モードで更に後退させようという国家機関の策略なのだろうが、おもしろけりゃなんだっていいわ(← というくらいに後ろ向き)。

例えば、時代の偏差はあるにせよ、A級/B級ていう区分でいうとこれらの映画の殆どは当時A級のほうだったはずだ。 はずだったのに、ラインナップ全体を見渡した時にかんじる、このなんとも言えないB級感はなんなのだろうか。

でもねえ、これらの「洋画」は間違いなく「世界」- それがどんな世界だったにせよ - への入り口として、その風味を教えてくれるものとして機能したのである。 はじまりは78年の『Star Wars』とか『未知との遭遇』あたりだったと思うが、とにかく一日中映画館の暗闇にどっぷり浸かって浸って、マッシュポテトってなに? とか想像して遊ぶことができたの。 座席指定、各回入替が普通の時代の子供達はかわいそうだよねえ。

雑誌でいうと、わたしは断固「スクリーン」派でした。 「ロードショー」はメジャーでガキむけなかんじだったし、スクリーンにはたまにポルノとか載ってたのよね。

あと、これと同系の網羅的な特集としてはFilm Forumでやってるこれをなんといっても見たい。

http://www.filmforum.org/movies/more/universal_100


前置きが長くなりましたが、"Conboy"。
こないだの"The Longest Yard"(1974)と続けてみれば、りっぱな反体制活動家(でもがさつでだらしない)になれる。

楽しく一緒に街道を走っていたらねちねちした警察野郎(追悼:Ernest Borgnine)にいじめられたので頭きてちょっかい出したら大騒動になっちゃった系の。

大義とか正義とかはあまり関係なくて、暴走族がつるんで暴れるのとも違って、こちとら仕事してんだから邪魔すんじゃねーよ、というのと、困っているんならみんなで助け合おうじゃねえか、えいえいえおー、程度の軽いかんじの。 そんなふうに背景は結構軽いし適当なのだが、とにかく道路をトラックが埋め尽くしてしまうその様だけがひたすら圧巻ですごい、連中を怒らせたらこんなんなっちゃうんだから、それだけ見ておけ、ていうの。

これはこの時代の"Unstoppable"でもあって、隊列を組んでいようが列から離れようが、とにかく彼らは止まらない。 誰ひとり、権力と調和することも権力に回収されることもなく、道路と車があったら走るしかないんだぜ! ていうそういうやつ。 

エコとか環境がうるさくなった今の時代には作れなくなってしまった作品でもある。
でも、権力に抗うときの基本的な態度、みたいなのはしっかり教えてくれる。
Kris Kristofferson、ひとりだけかっこよすぎだけど。

音楽はベースがぶんぶんすごいのでやっぱし爆音で見たいねえ。

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