22日の日曜日、銀座で見ました。 もう終わっちゃいそうだったし。
終わってしまうといえばシネパトスも終わってしまうらしいのだった。 すごく思い入れのある映画館、というほど通ってはいないのだが、あの雰囲気がなくなってしまうのはいやだな。 ただでさえ最近の銀座って、ぜんぜんいかす方に行っていないとおもうし。
ロンドンの南のはずれ(Oval stって見えた)の団地で、そこらをごろついているガキ共が、おねえさんからひったくったりしていると隕石みたいのが落ちてきて、車にぶち当たって穴を開けたので、車もいただき、と中を覗いたら変なのが出てきたので取っ組みあってやっつけたら、相手はエイリアンみたいな見たことない生き物だった。 動かなくなったそいつを団地のたまり場に持ち帰って置いておいたのだが、しばらくしたら更に凶暴な連中が宙からばらばら落ちてきてさあ大変、と。
団地をうろうろしている頭も品も悪そうな連中なので、そんなエイリアンみたいな獣と取っ組み合うなよ、とか、死骸をわざわざ持ち帰るんじゃねえよ、とか思うのだが、ぜんぜん聞こうともしないでぶいぶいいきがっている、そのかんじがよいの。
エイリアンはでっかいゴリラみたいで黒い毛がはえてて、目が見えないようで、鋭い歯が蛍光緑に光って、四つ足で走って追いかけてくる。
エイリアンとか思わずに、凶暴な獣と思えば思えなくもなくて、そうすると、映画の向かう先もエイリアンとのバトル、とか言うよか、凶暴な獣と団地のガキ共の喧嘩、縄張り争い - やられたらやりかえせ - みたいなところに落ちてきて、でもだからといってつまんないかというとそんなことは全然なくて、すごくおもしろかったりする。
エイリアン侵略モノというよりは団地のガキの騒動に毛むくじゃらの獣が絡んできたような。
連中が根城にしている団地、というのもポイントで、四角四面でどのフロアもどの部屋も等しく同じで、でも老人も子供もいろんな人たちが暮らしていて、彼らもそんな家族の一部として暮らす、というのと同時に、そのなかに暮らすワル組織の一部である、という、緩くて半生な関係のなかに縛られた、でも一応ごろつきなんである、と。
で、そういう連中であるから、すごく強かったり、団結して小賢しかったりすることもなく、びくびくして逃げ回るか、強がって攻めるか、押しと引きのやりとりがおもしろい。 そしてそこに、冒頭でひったくりにあった看護師のおねえさんが不機嫌に巻込まれて挟まっているの。 分別ある大人なんてただのひとりも出てこない。
この設定でゾンビ、という線もあったのかもしれないが、そうはしなかった。
ゾンビだと入ってくるに違いない「感染」ていうちょっとウェットな要素を、エイリアンものだと一応蹴散らすことができて(勝手に落ちてくるんじゃねーよ)、結果少しだけ軽くできる。 この作品に関してはその軽さがよい方向に効いている。 この辺のセンスのよさはちょっと英国、かも。
最近の団地もの、おもしろいかも。 インドネシアの"The Raid"もそうだし、日本の『孤独な惑星』もそうだし。
アメリカの団地はあまりに草ぼうぼうで殺伐としすぎてて絵にならないかんじだけど、英国とかアジアの団地はなんかいい。 あんま住みたくはないけど。
Nick Frostさんは、ここんとこゾンビとか宇宙から来たやつとか、そんなのしか相手にしていないねえ。
7.26.2012
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