清澄なんとかからがんばって吉祥寺に移動したのだが、あんまりの気圧と湿気でなにもかもいやになる。
これが今年の爆音映画祭の最初となった。
ユーロスペースで見逃していたやつをなんとなく、だったのだがすごい沢山の人がいたので驚いた。
人気があるひとが出ているの? どうなの? (誰に聞いてよいのかわからず)
マンションで一人暮らしの女のひとがいて、彼女の隣の部屋にカップルが住んでて、そのカップルがすごい喧嘩して男のほうが追い出されて、隣の住人の部屋のベランダにテントはってそこで暮らし始めるの(いろんな不干渉、非接触ルールを作ったうえで)。
男はそこから元カノにわかんないようにバイトに出てって夜はそうっとテントに戻る、そんな生活ありえない、ことはわかっていても、あってもおかしくないかも、と思わせる程度のリアルさで彼はやつれたり疲れたりしている。
孤独な惑星のかんじが出ていて、なかなかよかった。
どうせ孤独なんだから、と開き直ることもなく、さみしいようーとべたべた寄ってくるわけでもなく、四角四面の壁やドアや窓で仕切られた空間のなかをそれぞれに横切っていくいろんな惑星たちの昼と夜と。
惑星の軌道は地球上にあるようだが、太陽さんはいったいどこにあるのか、だれもわかっていない。わかったら楽になるかもなのに。
惑星はどこか遠くに旅に出ることも、衝突してクラッシュしたりして惑星をやめることもできない。 黙ってぐるりといろんな境界の上を渡っていくことしかできない。
主人公の女性(竹厚綾)がすごくよくて、彼女の祈るような寝顔(どことなく「果てなき路」のヴェルマに似ている)と、「お祈りしているんだ」とか言いながら世界地図(白地図)にピンを刺したり抜いたりしているのを見ていると、なんだかたまらなくなる。
音は実に豊かにいろんなのが聴こえてきて、転がっていく惑星がたてるとしたらこんなの、だろうな。
たったひとりがたてる音、窓の向こうのベランダの音、ベランダとの間のどこかで鳴る携帯の音、ベランダの彼方からの音、壁の向こう側の音、これだけの音に囲まれていてもなお/いるが故に、それでも惑星は孤独であるという -
7.12.2012
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