4.01.2026

[film] Project Hail Mary (2026)

もう日本に戻って、仕事も始まっているのだが、しばらくの間は籠の鳥で、体力的にも動きようがないしあらゆるやるきが失せている。しばらくは向こうで見たものでまだ書いていないのがいっぱいあるので、それらを書きながらじめじめめそめそしていきたい。

3月19日、金曜日の夕方、BFI IMAXで見ました。
公開初日ということで早めにこの日のチケットを取っていたのだが、実際には1週間くらい前からどこでもプレビューをやっていて、なんだよそれ?になった。

IMAX 70mmによる上映で、北米以外のヨーロッパで見られるのはここだけ、と。 本編開始前に監督Phil LordとChris Millerによる短い挨拶が流れて、IMAXの70mmってほんとにすごいんだよう、って映画の内容にはほぼ触れずに中学生みたいにふたりで盛りあがるので、少しだけ不安になった。

原作はAndy Weirによる同名SF小説(2021)、脚色はDrew Goddard。音楽はDaniel Pemberton。原作は日本の家に置いてあることは知っていて、けど読んでいない。この作品についてはまず原作から読むべし、みたいなのがあるらしいのだが、そうだったのかどうかは自信がない。

Grace (Ryan Gosling)が宇宙船のなかで目覚めると、他の乗組員は死んでいて、自分も髪と髭ぼうぼうで、でも自分がなんでそこでそんなことをしているのかさっぱり憶えていなくて混乱して死にそうになる。彼が宇宙船のなかを彷徨いながら、自分がなんでこんなことになっているのか、徐々に浮かんでくる過去の断片を繋いでこのミッションのおおもとを探っていくのと、それと並行して航行中に出会ったエイリアンとの交流と、彼とそいつと地球はどうなっちゃうのか、などを行ったり来たりしつつ追っていく。

いろんなテーマがありそうで、人によっていろんな捉え方ができると思うが、同じ原作者で、Matt Damon主演で映画化された”The Martian”と同じように宇宙をたったひとりでサバイヴしていくドラマ、と見た。

どう見ても他から勝手に不条理に押しつけられた運命を受け容れて、できることをがんばって、それをやりとげる - それをどん底からの復活とか危機一髪の大逆転とか、歯をくいしばる仰々しいドラマにしないで淡く柔らかい笑顔でたまに泣いたり空を仰いだりしつつも、どうにか最悪を回避してしまう男がいて、それがRyan Gosling、というのがよくて、ほぼそれだけなのかも。岩蜘蛛みたいなエイリアンは何考えているのかわからないし、「プロジェクトいちかばちか」のプロジェクトを率いるEva (Sandra Hüller)もほぼ感情を表にださないし、そんなノンエモの砂漠でとにかくがんばる男の話。

SF(映画)としてどうなのかはよくわかんなくて、主人公がああいうことになった経緯とか解決に至る道筋に科学的な、SF-空想科学っぽい理屈がまぶしてあれば、だったのだがそれらしいのはなくて、どっちみち死ぬんだからって、特攻隊のように昏睡状態のまま宇宙船に乗せられるし、理屈なんて別になくてもよくて、エイリアンとの意思疎通もすごくいい加減で、すべてはそういうものなのだ/どうにかなっちゃったのだ、で進んで、そこに彼の笑顔が見事にはまって調和して、みんな幸せになるので、それでよいのかも、とか。

音楽は全体にしんみり湿った70年代のようで、たまたま映りこんでしまったかのようなSandra Hüllerがカラオケで歌う”Sign of the Times”になんだかじーんとなった。

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