4月20日、月曜日の晩、TOHO シネマズ日比谷で見ました。
これも帰国直前のどたばたでロンドンでは見れなかった1本。向こうではクリスマス映画だった。
90年代、ミルウォーキーに実在したNeil Diamondのトリビュートバンド - Lightning and Thunderで少しだけ有名になった夫婦、Mike SardinaとClaire Sardinaのお話。
2008年にGreg Kohsによる同名のドキュメンタリーが撮られていて(未見)、同年の映画祭でそれをみたCraig BrewerがGreg Kohsにコンタクトして権利一式を買い取った、と。
冒頭、Mike (Hugh Jackman)はアル中の更生施設で断酒して20年経ったよ、ってギターを抱えて体験を語りつつ”Song Sung Blue”を歌ったりするのだがその裏の実生活はどん詰まりぼろぼろの不満だらけで、そっくりさんショーのバックステージで有象無象のカバー芸人たちにまみれ、自分はこんなもんじゃないのに、って悶々としていた時にPatsy Cline のカバーをしていたClaire (Kate Hudson)と出会う。
どちらも離婚してそれぞれにシングルマザー/ファーザーだったが、互いにどこかを稲妻に撃たれて一緒にやろう! ってレパートリーをNeil Diamond一本に定め、コンビ/バンド名を”Lightning and Thunder”としてライブハウスに出るようになる。 なんといっても演るのはHugh Jackmanだもんだから評判を呼んでハコもどんどん大きくなっていくのだが、突然の不幸が次々とやってきて止まらない。
騙されたとか盗まれたとかの他者の悪意による人災ではなく - 悪い人物がひとりも出てこない珍しい映画 - Claireは突然つっこんできた車にやられて左脚を失い(もう一回突っ込まれ)、Mikeは元々心臓がよくなくて、でも”Song Sung Blue”♪でー。
彼らはなんでそこまでして - 真ん中辺りに事故の後に心を病んでしまうClaireの姿が置かれるし、Mikeだって復帰公演の準備中に頭を… ステージで歌を歌うこと、それを聴いて一緒に楽しんで貰うことにあんなに全身全霊を傾けたのか? というのが中心にきて、それが彼らの芸道であり生きる道なのだ、というところにハリウッド・スターとしてのピークを過ぎた(と思わせたい/思わないけど)Hugh JackmanとKate Hudsonの容姿が、そして何よりもNeil Diamondの歌たちが被ってきて、そのだんだら模様が素敵ったらない。中途半端に家族の絆や救いを強制するのではなく、まずは音楽があり、そこに向かってすべてが奉仕されている。
実在のLightning and Thunderのふたりにしても、この映画のふたりにしても、なんとしてもNeil Diamondの歌をちゃんと聴いて貰いたい、という強い思いに貫かれているようで、そこは全く異論がない。ショーのオープニングを”Soolaimon”にするんだって拘るところを繰り返したり、これを機にNeil Diamondの再評価に繋がらないだろうか、って少し思ったのだが、そうなるかんじが全くないのはどうしたものか。(映画内のアレンジはCarole Bayer Sager & Diane Warrenで、悪くない)
とにかく”The Greatest Showman”と”Almost Famous”のふたりなんだから、実話のタガを外して”The Blues Brothers”みたいなバディの珍道中ものにしちゃってもよかったのに (稲妻にやられるところとか同じだし)。
あとどうでもいいことだけど、この晩はEddie Vedderの東京公演があって、仕事の都合で行けなくなって泣きながらこの映画の20:50の回に駆けこんだのだが、映画のなかにEddie - あんま似てなかったけど - が現れて彼らと一緒に歌ってくれたのだった。
4.26.2026
[film] Song Sung Blue (2025)
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