3月26日、木曜日の晩、National Theatre内のLyttelton Theatreで見ました。
まだPreview中だがそんなことは言っていられない。
ロンドンでいろんな劇場に行ったが、なんだかんだ、ここのLyttelton Theatreがサイズも含めて一番見やすくて好きだったかも、ってしみじみした。
原作はラクロによる同名の書簡体小説(1782)- 『危険な関係』。
1988年のStephen Frears監督による映画 - ”Dangerous Liaisons”の際にも使われたChristopher Hamptonによる舞台用の脚色(1985 - 初演も)をベースにMarianne Elliottが演出している。前日に続いてこれも休憩入れて約3時間。
Glenn Close, John Malkovich, Michelle Pfeiffer, Uma Thurman, Keanu Reevesらが出演した映画版は役者たちの演技が誰も彼もすばらしく展開も目が離せなくて何度でも見れるくらい好き。
今回の舞台版ではGlenn Closeが演じたメルトゥイユ侯爵夫人をLesley Manvilleが、John Malkovichが演じたヴァルモン子爵をAidan Turnerが演じている。
舞台の上方、左右奥の背景には官能的な女性の絵(日本だったら春画か)がでっかく帯のように広がり囲んでいて、その下方はミラーになって歌謡ショーのステージのよう。舞台は舞踏会のフロアだったりいろんな衝立てやドアが右左から運ばれてきたり、冒頭は正装したモデルのような男性たちがゆっくりと歩きまわる中、奥の扉からゴージャスなドレスを纏った女性たちがわらわら現れて見事な群舞を披露して、そこに先の男性たちが捕食するかのように群がる。その中心にいるのが深紅のドレスのLesley Manvilleで、見るからに女帝の貫禄で周囲を圧倒し、みんなが平伏している。
ストーリーは、メルトゥイユ侯爵夫人が、かつての愛人でもあったヴァルモン子爵を操って、貞淑なトゥルヴェル夫人(Monica Barbaro)と若くて純情なセシル (Hannah van der Westhuysen)を誘惑させて、みんな揃って転げ落ちていく様子を高みの見物して楽しもうとする。原作の書簡体小説の受けて返しての一拍入るその感覚はうまく生かされていて、場面場面の展開を追うのが楽しくて、気が付けばトゥルヴェル夫人は泥沼に落ちて、セシルは天に舞いあがって、それをどんなもんだい!って腕組みするヴァルモン子爵と、更にそれを高いところから眺めてにやにやするメルトゥイユ侯爵夫人ができあがる。
すべての立ち位置が揺るぎなく立ちあげられて彼らを身動きできないようにする前半までと、これらの縛り縛られが始めた側の思うようにはいかない「危険」なものへと変貌し、解れたり崩れたり手に負えなくなっていくさまを描くのが後半で、セシルは妊娠してしまうし、ヴァルモン子爵は狂っていくトゥルヴェル夫人を本気で恋してしまい、それを察知したメルトゥイユ侯爵夫人は嫉妬の沼に落ちて…
前日の”Romeo & Juliet”の死をも恐れずに天に昇ろうとするピュアな彼らと比べると(比べるな)、そこから約200年が経っているとは言え、なんというどろんどろの地獄絵図であろうか、って呆れてしまうのだが、これはこれで十分に生々しく、ゴージャスなセットやコスチューム、時折挿入されるダンスシーンも含めて、死と隣り合わせの恋愛遊びのデンジャラスな、でも知らんがなの刹那に溢れていてたまらなかった。
映画版でKeanuが演じたヴァルモンに決闘を申し込むセシルの許嫁の彼だけ、もうちょっとぴりっとかっこよかったらなー。
それにしても、下着1丁になって踊ったりするLesley Manvilleのものすごいこと。彼女のお芝居は2018年に”Long Day's Journey into Night” - 共演はJeremy Irons、2024年に”OEDIPUS” – 共演はMark Strong、と見てきたが、今度のが一番強烈だったかも。
4.10.2026
[theatre] Les Liaisons Dangereuses
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