4.13.2024

[film] Godzilla x Kong: The New Empire (2024)

4月1日の月曜日、Easterの四連休の最後の日のごご、BFI IMAXで見ました。
3Dと2Dの2種類が上映回によって分かれているのだが2Dの方でいいや、にした。3Dでも天地がころころひっくり返ったりおもしろいかも。

お話し、設定は”Godzilla vs Kong” (2021)から繋がっているが人間の登場人物たちは繋がっていない。どんな怪獣が出てきてどんなことをするのかなど、知りたくない人はここから先は読まない方がー。

たぶんもういろんな人が指摘していることだとは思うけど、タイトルの怪獣の間にあった”vs”が”x”になっていて、メインのビジュアルはゴジラとコングが並んでこちらに向かって走ってくる、そういう絵になっていて、これでいいのか? と。怪獣たちが、①向かい合って取っ組み合うのではなく、手は繋いでいないけど一緒にこちらを向いて、②走ってくる。かつてあったゾンビが走るのはありなのか、の議論と同じく、これで、こういうことでよいのか? という原理原則的な問いがまずはくる。

昭和の東宝ゴジラが怪獣同士で手を組んで共通の敵を一緒にやっつける、ということをやりだした途端 - ゴジラがみんなのヒーローみたいになった途端につまんなくなってしまった過去をありありと思い起こさせる。これがなんでつまんなくなるかというと、制御・予測不能であるはずのモンスター(だからモンスター)が人類の味方であるかのような動きをする、それに対して識者(だいたい政府系の御用学者)がその理由 - 宇宙からやってきた外敵から守るという本能だ、など - をもっともらしく説明してきたり、こうしてモンスターはモンスターでもなんでもない、無害なでっかい着ぐるみを被ったキャラ、でしかなくなってしまうからなの。我々の想定通りに動いて火を噴いたりしてくれる怪獣、そんなのを見て何が楽しいのだろう? 特撮? 確かに今回のはピンク色などが多用されててカラフルで楽しいかも。

なので、今回のゴジラはローマのコロッセオを巣にして寝転がったり、コングは地底のホロウアースで虫歯に悩んで人間界で治療してもらったり寂しそうにうろうろしていると、ホロウアースの奥地で、見るからに悪そうなやくざ大猿に支配されている大猿の国を見つけて、その猿帝国が魔法の石を巡って盛りあがって蜂起するのと、そこには人類もすこしだけいてその末裔の少女が地上界にいる… などなど。(大猿の国の野蛮さときたら昔の東映映画なみの)

人間側は怪獣を研究している理知的な科学者のRebecca Hallと彼女が養子にしている孤独な少女(もちろん彼女が救世の鍵となる)と、かっこつけてて無鉄砲で何でも調達屋のDan Stevensと、笑わせ担当お調子者のブロガーBrian Tyree Henryと、もう絵に描いたようにかつてどっかで見た怪獣ものの定型類型をなぞっていて、これこそが僕らの! って喜ぶ人たちもいるのだろう... かね。

ゴジラはGuardian of natureでキング・コングはProtector of humanityという説明があって、まあ仮にそうだとしても巨大な連中が好き放題に暴れまくるおかげでおそらく沢山の人々が亡くなっていて、そこはnatureだのhumanityの名において許しておけ、って。結局”New Empire”なんて言っても強くてでっかいのがのさばって民は潰される – ロクなもんじゃないのね、と。

あと、どうでもいいかもしれないけど、怪獣のデザインがあんましよくない。ぜんぜん恐くないし残らない。あれじゃJurassic Park(まあそうなのだろう。環境的にも)だし、あのモスラはあまりに蟲すぎるし(モスラって妖精じゃないの?)。


Kung Fu Panda 4 (2024)

4月1日、月曜日の昼間、ゴジラの前にCurzon Aldgateで見ました。
前日の晩にマルセイユから帰ってきて、連休の最後の日、目を覚ますのによさそうなやつを、って。

パンダは好きだけど、このアニメーションは何がおもしろいんだろ? と昔は思っていて、でも2とか3を飛行機で見たら結構おもしろかった記憶があり、これが興行収入で”Dune: Part Two”を抜いたのってなんか痛快じゃない? どっちもいろんな生物とか魔法が出てくる弱肉強食の世界だし。

今回、Po (Jack Black)は相変わらずなのだが、老師からDragon Warriorはもう卒業して次の位に昇るべし、って言われて、えー、ってなり、すばしこいキツネのZhen (Awkwafina)と出会い、悪い魔術師のChameleon (Viola Davis)が現れてPoの過去の宿敵(?)たちを呼びよせてそのエネルギーを吸い取って世界を支配しようとする、っていうお話し。

カンフー映画なんだから(ちがうの?)、魔術師なんか出しちゃったらだめでしょ – ていうかカメレオンなら素で十分カンフーできるし、おもしろくなるのに - と思ったが師弟のありようとか償いとか、そのあたりの倫理系はわかりやすく筋が通っていてよいと思った。

しかしこのシリーズ、このままでいくとPoの一生を描くだけになりそうなのが少し心配になった。カンフーは強いけど、それだけでずっと独りぽっちで老師みたいになって消えるのか。歳を重ねてもあの調子で子供っぽく無邪気でうるさいばかりなのか。 それかすべては動物園で飼われていたパンダの夢でした、になるとか。

エンドロールでTenacious Dによる"...Baby One More Time"が大音量でがんがん流れて、これは気持ちよかった。

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