4.02.2024

[log] Easter 2024

3月の最後の週末から4月頭にかけて4連休がある - そういえば - となったのは2月の頭くらいで、このままロンドンにいても映画見たりするだけでムダになくなってしまうだけなので、どこかに行こうと思った。

マドリードは日帰りしたばかりだしもうじきバルセロナもあるし、ならフランスかアイルランドかポルトガルか、となり、そういえば(.. ばっかし)、セザンヌのアトリエにいく、というBucket Listのがまだあった - と見てみるとこの週末の後は修繕のため長期間閉めます、とあって、土曜日のチケットはもうなくて、金曜日のをとりあえず1枚取ってしばらく置いておき、飛行機はマルセイユ往復になるので一泊をエクス・アン・プロヴァンス、一泊をマルセイユにして、それで満足してしまう(← タイプ、よくない)。

おうち/仕事場を訪ねる旅、結構好きでVirginia Woolf、Vanessa Bell、Wittgensteinなどがよかった。Derek Jarmanのにも行かねば。

29日、金曜日の朝7:10の便でヒースローを発って10時くらいにマルセイユに着いて、バスを乗り継いでエクス・アン・プロヴァンスのだいたい真ん中あたりに着いて、その古い町並とか建物の並びをぐるぐるしてわーとか楽しんでいるうちに予約していた15時に近づいたので歩いて向かった。緩やかながら割と陰険に攻めてくる上り坂で、ホテルの人がバスで行った方がいいよ、と言っていたのを思いだしたが既におそし。

ところでアトリエの前の通りの名前は、Avenue Paul Cézanne となってて、住所がそれってかっこいいなー。

アトリエの閲覧時間は一回30分で区切られていて、チケットはガイド付きのとそうでないのがあり、ガイド付きでない方にしたのだが、そんなに広くない同じひとつの部屋で時間帯も同じだと、ほぼガイド付きの状態となり、でもガイドと言ってもアトリエの中のものを端から全部説明するわけではなく、だいたい厚紙の説明書きにあるからそれ読んで好きに見て眺めて聞きたいことがあったら言って、で10分間もかからずに終わる。

でっかい窓があり、こないだThe Courtauld Galleryにあった古典 - “Still life with Plaster Cupid” (1895) - のキューピッド像のもとのとか、彼のいろんな絵画に出てきた気がする陶器に骸骨に… でもセザンヌにとってのこれら、はただそこにいるだけのモノたちでしかなく、その、そこにいる/あるだけの状態とはどういうものか、を光と一緒に考えたり問いかけたりするかのように彼は画布に向かっていたはずだ、というのを確かめるべく、そこから歩いて(上って)15分くらいのSainte-Victoireの山が見える場所 - 彼がその山を描きに通っていたもうひとつの部屋 - を目指して、ふだん体を一切動かしたりしていないのでへろへろになったのだが、上り坂のとこをいきなり左に折れてまたしばらく上って振り返ると、かの山は銭湯の絵みたいにでーんとあるのだった。

曇って雨が降ったりやんだり、という視野のどんよりもあったのかもしれないが丘の上と同じ目の高さ - の何キロ先かは知らんが - にあるそれは聳えたりそそり立ったりしているわけもなく、ただの岩の塊のようにしてそこにあり、それがまるでセザンヌの絵そのものみたいにそこにいたので「わぁ.. .. ..」というかんじだった。(海外の人がはじめて富士山をみたらあんななのかしらん?) あの山があんなふうにある/見えるのだとしたら、そりゃ何枚も描きたくなるだろうな、すごく不思議なかんじ、よく中国の古い絵にある岩山の、どこまで行っても辿り着けない異界のアウラがあるのだった。

帰りはバスで戻って近くのMusée Granet などを見てから部屋に戻って意識を失うかんじで寝てからご飯に行った。

以上がほぼメインのとこで、翌日は小さめの美術館をいくつか - いっぱいある - 見てからバスでマルセイユに移動した。マルセイユのメインはブイヤベースと(わたしはどちらかというと海の人なので)海を見ることで、ブイヤベースの前、波がたまにかかるくらいの岩場に座って日の入り迄の2時間くらい、ずっと海と雲をみていた。そうやって体が冷えた状態で戴いたブイヤベースはそれはそれはおいしくて、ブイヨンを3回おかわりしたらお腹がぱんぱんになり、帰りのバスはやばかった。

ブイヤベースは具のお魚(この日は5種類、ホウボウがいた)とお芋が別皿で出てきて、かりかりのにルイユとアリオリの塗りもの、これらをブイヨン(とお店の人は呼んでいた)の海に好きなように浮かべたり浸して戴くのだが、ブイヨンだけだとコンソメのように割とあっさりめなのに、浸す具材とその時間、時間によるブイヨンの温度変化などで絶妙にその風味を変えていくので終わりがない。おでんに近いのか、お茶漬けの主従を転倒させた版というか、潮汁のもったいぶった版というか、なんでこれをここにこう漬けるとこうなるのか? おもしろいったらなくて - だからぱんぱんになったのね。

それにしても、エクス・アン・プロヴァンスで見た土曜日のマーケット、いいなー しかなかった。葉っぱも魚もぴかぴかで、生活が豊かであるって、こういうのをいうんだよ。

マルセイユにきたらもうひとつ、生牡蠣も食べないとよね、だったのでお昼に1ダース戴いた。ムール貝も半ダース。牡蠣、あと20個はいけたかも。

あとは、エクス・アン・プロヴァンスのチーズ屋の上で戴いたTartiflette - チーズグラタン? も、とってもよかった。

マルセイユの街のかんじ、なんとなくリオのようだった。建物の光と影とか、ちょっと危なそう、やばそうなかんじとかー。

日曜の晩に戻ってきて、連休最後の一日は、映画2本みて、演劇1本みておわった。

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