シネマヴェーラで始まった待望の『妄執、異形の人々 海外篇』。
まさに待望であったし、ラインナップはすごくがんばっていること全く異議なしなのだが、でも洋画ってそもそも全面的に妄執が支配する世界だよね、ヒッチコックだってブニュエルだってキューブリックだってみんなそうじゃん、とか思った。
なんてぶつぶつ言わずに火曜日の晩、これ1本だけ見ました。
5月のしょっぱなからこんなの見ていいのか? でもどうせ沼みたいな陽気だからいいの。
こないだの夜コーマン、エロ篇だった『残虐全裸女収容所』(1972)に先立つこと15年くらい前、コーマン本人が監督した女囚脱獄モノはどんなものだったのか、と。 邦題は『女囚大脱走』。
上映されたフィルム上のタイトルは"Cruel Swamp"てなっていたけど、そっちもありなのね。
モノクロ、緊縛の劇画ふうイラストから入った中味は、すんごく軽い。よくもわるくも。
ダイヤ強奪事件で投獄されている女囚グループが強奪時に隠したダイヤのありかを探るべく囚人に扮して潜入した婦人警官の手引きで脱獄して、ルイジアナの沼地をずるずる行くの。
途中人質とったり、ワニに襲われたり、ヘビに襲われたり、いろいろあって大変なの。
映画としてのテンションというか盛り上がりだと 『残虐全裸女収容所』のが断然上なのだが、これはこれで悪くない。
要するに、ホットパンツはいたおねえさんたちが沼でのたくる姿が見たい、それだけで作ったんだ文句あるか、て言っているの。 文句ない。
実際、取っ組みあって殴り合うシーンはべきべきぱちぱち結構痛そうだし、ほんとに泥でぬたくってて楽しそう、じゃない大変そう。どれも必然あんまないんだけど。
でもさあ、あんな蚊とか虫とかいっぱい集ってきそうな河べりでわざわざズボン切って短くしないだろ、とか突っこみどこは満載で、女の子を一瞬で丸呑みするワニってどんだけでかいんだ、とか、そもそもボブって誰だったんだ、とか。
うん、一番の謎がボブだったのよ。 それでいいのか? と。
5.04.2012
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