英語題は"Detective Dee and the Mystery of the Phantom Flame"。
日曜日、なんかないかなーと思って、でもくらくらだったので重いのはやだな、ということで1本だけ見ました。
王朝ものも陰謀ものもあんま得意ではないし、しかも中国の歴史が絡むなんてむりー、と思ったのだが、これはあきれるくらいにおもしろかった。
もうじき即位する女帝のお祝いに高くてでっかい女神さまの像が建てられようとしてて、その完成間近、建築現場の責任者がふたり、体から火を噴いて死んじゃうの(外じゃなくて中から。逆ローストレンジ)。
なんでだろうーって皆の衆が言っていると、どっかから突然おしゃべりをする鹿さん(なんで鹿なのあなた?)が出てきて、判事ディーを呼ぶのじゃ、とかいうの。 判事は反逆罪で投獄されていたのだが、よくわかんないままに皇后の側近の女のひと(きれい、かっこいい)とか、地下都市に住む医者とかの仲間と一緒に捜査をはじめるの。
設定も必殺技も登場人物も、どれも微妙にありそうでなさそうで、でもそれらが塔を中心としたぐるぐるまきの中でダイナミックに動き回ることでぜんぜん「あり」な伝奇ものとしてこちらを引っぱりまわしてくれる。 中国の歴史をなめたらあかんのや。
体が火を噴いたって、鹿がしゃべったって、耳の裏のスイッチで顔がふにゃぐにゃ変わったって、ぜんぜんおかしくないの。
日本だと忍者とか忍法使うのかもしれないけど、基本は探偵捜査だからウソなんてありえなくて、全部ちゃんと説明できるんだから。
そしてラストのカタルシスがすばらし。破壊されたのではなく、恥辱のあまり崩れおちるの。
人は骨の芯から発火してしんじゃって、像は内側から崩れおちるの。
アクション全般、特に縦の動きの空気感がすばらしくよい。 ワイアーでぶんまわす、というよりも地面とか空がこちらに向かって飛んでくるかんじ。
これがあるから最後、重力のいいなりになって素直に崩れ落ちていく女神像がしみて、愛おしくなるのね。
あの虫、ほしいなー。
あれの変種が北西方面に伝播していって、トロールに取りついたんだな、きっと。
5.26.2012
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