5.12.2012

[film] Le Gamin au Vélo (2011)

6日の日曜日、渋谷で見ました。

Bunkamuraのル・シネマってリニューアルしてたと思ったのだが、座席が指定になっていたくらいでぜんぜん変わっていないように見えた。 相変わらず無用に(案内とかの)ヒトが多いし。
Hikarieとかもそうだけどさー、箱作ればヒト集まるだろうみたいな発想そのものがブンカから程遠い、田舎モンのそれだよな。 いや、われわれはそうやってブンカを作るのです、とか言うんだよ。あーはずかしー。

それはともかく、『少年と自転車』。
タイトルとスチールから想像できそうなリリカルでエモーショナルなそんなのではぜんぜんない。
少年というよりはちっともかわいくねーガキが自転車が自転車が、ってじたばたする話しなの。
そのガキ(シリル)は父親がどっか行っちゃってそのついでに自分の自転車もどっか行っちゃって狂ったようになってて、その自転車を取り戻してくれたサマンサ(Cécile De France)に週末だけ里親になって、と頼む。 いきなり噛みつかれてとんだ出会いをしたサマンサなのになんとなくそれを受けてしまう。 やがてシリルは父親に捨てられて、サマンサからも捨てられそうになって。

いっつも赤いジャージと青いシャツを着て自転車を乗りまわすことしかできないシリルのタチの悪さに同情はしない。
癇癪起こしてばっかしでほんっとにかわいくねー。 ただ自転車がいればよいのかと。

彼がサマンサに懐いたのは彼女が自転車を買い戻してくれたからだし、彼がサマンサの言いつけを聞かずに襲撃犯の野郎のとこに行ったのはそいつが自転車のパンクを直してくれたからだ。
シリルはなんも言わない。 けど、あのタチの悪さはなんかわかる。

カメラはなんの判定をしようともせず、そんなシリルの赤い服を静かに追っている。
ガキの言い分なんて聞く必要はない。彼の後ろ頭からそっとのぞくようなカメラがぜんぶ。

でも、ラストはなんかいかった。 ちょっとだけほっとして、あらまあ、って。

あと、サマンサとシリルが川べりで2人自転車に乗って笑いあうところ。
あのシーンがあるだけで、あとはなんにもいらないの。 それくらいあれはすごい。

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