寝くじいて首がまわらなくて、口内炎もピークで、お腹もこわれてる。 なんかのバチだ、とか思ってはならないの。
もう美術展の残りはまとめて書く。
Design Museumを出て滞在しているホテルのほうへ、途中でtaxiがつかまりますように、と大きめの通りを歩いていったのだが、ぜんぜん来なくて、這うようにして部屋に辿りつき、荷物を置いて10分くらい横になり、でも夕方に仕事(お食事)があるので着替えねばならず、体力のなさをしみじみ呪いつつ、もういっかい外にでる。
Tate ModernはDesign MuseumとはLondon Bridgeを挟んで反対側にあって、これも川べりの中途半端な場所にあるので歩いていくしかない。
西に傾きはじめたおひさまの光とUVの直撃をくらいつつ、今日ってなんかついてないかも、とようやく気づきはじめた頃、とにかく着いた。
"Damien Hirst"
ごぜんにLucian、ごごにはDamien ♪
さて、大英帝国が総力をあげてお届けするDamien Hirstのレトロスペクティブ。
わたしは、ブリットうんたらとかがぶいぶい吹き始めた90年代の英国がはっきりと好きではなくて、だからYBAsも距離を置いてきた。
でもホルマリンの牛とか鮫とかだけは、なんか惹かれるのでつい、程度。
最初のほうの水玉模様とかでほんわかしていると、突然羊(?)の頭骨が床に置いてあって、さらにライブの蠅わんわんの箱があってその中に牛の生首がごろん、とか。
さらに厚いビニールのびろびろで仕切られた部屋があって、入ろうとするひとに、虫がだめなひとは止めたほうが... とか言っている。
中はむんむんの温室で蝶とか蛾がぴろぴろ舞ったりしている。 まんなかのテーブルに蜂蜜みたいのを置いた皿があって、ちょうちょが群がっておいしそうに舐めているので羨ましかった。
ホルマリンは鮫も半分牛のでっかいのとちいさいのも全部あった。
それがどうした? なのであるが、なんだろうね、あれ。
あとは薬ケースのでっかいバージョンとかぐるぐるまわるやつとか。
きほんは、子供が見てもわーっとなる、ソリッドできれいな、そんなやつで、でもこれって「アート」として流通しているだけのあれよね、という印象は変わらなかった。 おもしろければいいかー、程度で。
展示の終端にあるショップがすごかった。
まさに成金ごきぶりホイホイ。 たぶんわざとなんだろうけど。 もちろん、なんも買うもんか。
"Alighiero Boetti: Game Plan"
イタリアのコンセプチュアルアーティストのTateでは初の回顧展。
有名な世界地図シリーズ(Mappa)が並んでいるのは壮観だったが、どちらかというとポールペンでかりかりこまこま描きこまれた70-80年代の絵画にものすごく惹かれた。
60年代を起点とするコンセプチュアルアートの運動(彼の場合だと、Arte Povera)を今のコンテキストに置きなおしてみる試み、ってもっとあっていいよね。
もうちょっと時間があればなー。
他には草間彌生の回顧展も有料でやっていたのだが、これも無理。
本屋でも時間なくて、Wes Andersonが表紙のSight & Sound誌と、"Lost in London"ていう雑誌だけ買った。
Tateを出たとこで奇跡的につかまったtaxiで、Victoria & Albert Museumに向かう。
でも渋滞に巻きこまれて(ついてない)、入口に辿り着いたのは5時少し前。
"British Design 1948 - 2012: Innovation in the Modern Age"
メインのチケットカウンターは店じまいしようとしてて、おねえさんに、なんとしても見たいんだけど入れて、と言ったら、うーん、この展示はぜんぶ見るのに1時間20分かかるのよね、て返され、そんなのうそに決まってると思いつつも、だいじょうぶですがんばります、と言ったらじゃあ展示場のとこにあるチケット受付のとこはまだ開いてるはずなのでそこに行ってみて、と言われたので最後の力をふりしぼって廊下を駆け抜け(ここの廊下は前もなんかで走った記憶が..)、受付まで行ったら、そこのおねえさんに、あと40分で閉まっちゃうけど? と言われて、だいじょうぶですがんばります、と答えて中に入り、いつもの倍のスピードでぐいぐい流していったら10分で出口の扉にぶつかってしまったのでとってもびっくりした。
こないだのポストモダニズム展もそうだったが、大風呂敷系の展示が続いているV&A。
戦後の英国デザインを総括的に回顧する展示はこれが初めてだそうで、ま、御祝儀とかいろいろ浮かれているのだろう。
英国デザインだから見たい、ということはあんまなくて、ドイツでもイタリアでも北欧でも、好きなのもあれば嫌いなのもある。
かわいい犬猫はどこのだってかわいいし、かわいくないのはそうじゃない。
こういうのは、その国が、自国デザインをどう見ているのか、どう見てもらいたいと思っているのか、見てもらいたくないと思っているのはどんなのか、がわかるのでおもしろいの。
入口のとこにエリザベス女王の戴冠式のときのドレスとかがある。
でもファッション関係は出品点数も含めてそんなでもなかったかも。(これは別の展示↓のほうか)
全体の雰囲気は、かっちりしてて威風堂々、かっこいい英国を見せつけたい、かんじ。
だからパンク系は、SeditionariesもVivianもぜんぜんないの。
Aladdin Sane期のボウイ、山本寛斎によるステージ衣装がある。(でもこれ、British Designでよいの?)
衣装系だと、Roxy Music、フェリーさんの皮ジャン、イーノさんの羽羽(!)、マーク・ボランの金ラメ、とか。
レコードジャケットは、ボウイとストーンズとか、ふつうすぎる。
Peter Savilleは、さすがに彼のスペースが確保されてた。
音楽クリップで掛かっていたのは、SpecialsとPet Shop BoysとBlurと、あとなんだったか。
Damien Hirstの薬ケースはここにも置いてあった。 薬漬け。
最後の部屋はプロダクトデザインが中心で、かっこいい車(よく知らない)とか、BAのコンコルド(模型だよ、もちろん)とか、今やなつかしころころのiMacとか、そういうのがあった。
プロダクトデザインて、自分にはほとんど興味の湧かない領域なのだな、と改めておもった。
でもあまりに適当に見過ぎてしまって英国に申し訳ないかんじがしたので、電話帳みたいなカタログ買った。(ただしソフトカバーのほう)
終わって、実はもういっこみたい有料の展示があって、そっちのほうに走ったのだが、もうだれーもいなくて入れなかった。
遠くから少し見れた程度。 それがこれ。
"Ballgowns: British Glamour Since 1950"
http://www.vam.ac.uk/content/exhibitions/ballgowns/
英国の50年代以降のボールガウンの、どこが、なんでそんなにすごいのかあんまよく知らないのだが、なんかよさそうだった。
んで、さっき、日曜まで滞在が延びた。 そうら、やっぱしばちだ。
5.30.2012
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