11.12.2024

[film] Paddington in Peru (2024)

11月9日、土曜日の午前10:00、BFI IMAXで見ました。

こんなの公開日に見ないでどうする、なのだが、8日の金曜日晩のBFI IMAXは”Point Break” (1991)のリストア版の公開日だったので、そっちに行った。

クリスマスシーズンが始まって、街の電飾も華やかになって、あちこちにPaddingtonが描かれたり置かれたりしている。

夕方は5時には暗くなって、誰もが早くおうちに帰りたくなるこの時期に、このクマ(なの?)はペルーに行くのだと。カリブでもマヨルカでもなく、ペルー?

冒頭、Paddington(Ben Whishaw)がLucyおばさん(Imelda Staunton)に助けられて育てられる経緯が語られ、大きくなったPaddingtonはロンドンに来て、Brown家の一員になるのが前2作。今回、Mrs BrownはSally HawkinsからEmily Mortimerに替わっていて、娘も息子もそれぞれ成長しているが、全体としてあの一家に大きな変更はない。監督は前2作を手掛けたPaul KingからDougal Wilson – John Lewis(こっちの百貨店)のCMなどを作っていた人 - に替わっている。 あと、Paddingtonは最初の方で英国のパスポートを手に入れている。前科のあるクマなのに。

Paddingtonはペルーの”Home for Retired Bears”で暮らすLucyおばさんから来てほしい、と誘われて、保険会社に勤めるMr Brown (Hugh Bonneville)はあんな危険なところにはとても.. って渋るのだが、新たにやってきたアメリカ人上司(Hayley Atwell)から“embrace risk!”って焚き付けられたこともあり、リスクマニュアルを携えて一家で行ってみることにする。

でも着いてみたら、歌って踊る尼で、”Home for Retired Bears”の所長のマザー(Olivia Colman)がLucyおばさんは少し前に行方不明になってしまった、というので、それなら探しに行かなきゃ、とブレスレットとか少ない手掛かりを元にジャングルの奥地に向かうことにして、観光船のキャプテンHunter (Antonio Banderas)とその娘を雇って連れて行ってもらうことにするのだが、このHunterはエルドラドの秘宝を探しておかしくなった先祖 – たぶんWerner Herzogの『アギーレ/神の怒り』(1972)に出ていると思われる - などに祟られていて、時々狂ったようになる。彼の周りを彷徨う他の先祖たちも他の呪われた先祖たちもぜんぶAntonio Banderasが演じている。こうして棄てられた船は壊れてみんなは投げ出されて、それを救出すべくMrs. Bird (Julie Walters)とマザーたちが飛行機で救出に向かう、などなど。

Indiana Jonesぽいアドベンチャーがてんこ盛りで、見ていて飽きないのだが、この河や大地を転がっていくアクションと、従来のPaddingtonが得意とする屋内でのピタゴラスイッチ的な玉突きアクションがうまく連動していかないので、やや中途半端で残念だったかも。 あと、これは狙ったのかどうか不明だが、ラピュタ(財宝~桃源郷探し)とトトロ(大切なおばさん探し)のミックス、というのもある。あのトトロみたいな咆哮、Ben Whishawがやっているのかしら? 英国のクマたち(含. Pooh)とジブリ系のは別種のモノとしておきたいんだけど…

相変わらず楽しいし、マーマレード・サンドイッチは食べたくなるし、家族で楽しめる映画になっていると思うけど、やっぱりPaddingtonはあの恰好でロンドンにいてほしいかも、というのを改めて確認する、ということなのか。 最後のところは移民の人々のありようについてのひとつのコメントになっていると思った – なんで彼の名はPaddingtonなのか、等も含めて。

あと、生物多様性の宝庫であるアマゾンのジャングルまで来て、なぜクマだけがあんな社会を形成してヒトと共存できているのか、ちょっとは言及あるかと思ったのに。“Puss in Boots”くらい出てくるかと思ったのに。出していいのに。

あと、Hugh Grantも最後にちょっとだけ獄中から顔を出す。 でも“Heretic”を見たばかりだったので、こいつほんと極悪でしょうもないな、しか浮かんでこないのだった。

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