6月30日、火曜日の晩、Criterion Channelで見ました。 6月30日で終わってしまうやつのリストから。邦題は『我が家の楽園』。ピュリッツァー賞を受賞した劇作を脚色したもので、”It's a Wonderful Life” (1946) -『素晴らしき哉、人生!』の Frank Capraが監督でJames Stewartが主演ではないけど出てて、オスカーの作品賞と監督賞を受賞している。
Wall St.の銀行家Anthony P. Kirby (Edward Arnold)は政府の後ろ盾を取り付けてぶいぶい勢いに乗っているところで、近隣の12ブロックを買収しようとしているのだが、一軒だけ拒否しているとことがあると聞く。
それがVanderhof (Lionel Barrymore)爺さんの家で、彼は親族はもちろん、銀行で見つけたおもちゃ(あのうさぎの、ほしいな)を作っている事務員を家に呼んで自分の好きなことをやらせて、家の中ではみんなそれぞれ好き勝手なことをして楽しんでいて(いいなあ)、Vanderhofはそれでいいのじゃよ、って言う。
Kirbyの息子のTony (James Stewart)はKirbyのとこのVPをやっていて、オフィスの速記係のAlice (Jean Arthur)と恋に落ちて、TonyはAliceにプロポーズするのだが、AliceはVanderhofの孫娘で、プロポーズを受ける前に自分の家がすごく、桁外れに変なこと知っておいた方がいいかも、ってTonyとKirby夫妻を自分ちに招待する。 ところがTonyが普段の彼女の家を見ておいた方がいいかもってわざと別の日にやってきたもんだからディナーはめちゃくちゃになって、憤慨して夫妻が帰ろうとしたところに警官隊が乗り込んできて、更に地下に蓄えてあった大量の花火が炸裂してパニックになる。
こうして大量の酔っ払いと変人と一緒に牢屋にぶちこまれたKirby夫妻は簡易裁判に巻き込まれ、傍聴している隣人たちみんながVanderhofの味方なのに驚いて、なんでここにKirby夫妻がいるのかを聞かれたVanderhofは、Aliceを庇うために近所一帯の土地売買の話を出すのだが、Aliceは逆に頭きてTonyのプロポーズの件をぶちまけて、それが新聞ネタになったのでAliceは姿を隠してしまう。
で、最後は家を売ることにしたVanderhofの家のしょんぼりした引越しの様子で、でもそれだけでは終わらなくて..
Frank Capraなので、お金でなんでも買える大富豪と、そうじゃない - “You Can't Take It with You” - って信じて理想のコミュニティを作ろうとしている老人の噛み合わない対立とどたばたはあるものの、それはやや派手な仕掛けの背景でしかなくて、メインはあくまでTonyとAliceのRom-comになっているのがよいの。
でもそういうのとは別に、乗り込んできたIRSの役人に税金はそもそもなんのために払うのじゃ? って問答するVanderhofとか、裁判で言い渡された罰金を傍聴していたみんながおれが出すよおれもわたしもって帽子をまわすとことか、説話みたいな方に目がいってしまう。
あとは俳優がみんなよくて、Lionel Barrymoreは言うに及ばず、Edward ArnoldもJean Arthurもみんな素敵なの。あの子猫も。
Sergeant York (1941)
6月29日の月曜日の晩、Criterion Channelで見ました。これも6月30日で終わってしまうやつだったから。
こんなクラシックも見たことがなかったの。 『ヨーク軍曹』。監督はHoward Hawksで、Gary Cooperが実在した第一次大戦の英雄Alvin C. Yorkを演じてオスカーの主演男優賞を、更に編集賞も受賞している。
第一次大戦前夜のテネシーでYork (Gary Cooper)は、貧しい農家に老いた母と弟と妹と暮らしていて、最低の生活から抜け出すために土地を得ようとがんばるのだが根が適当なのでなんかだめで、でもある日雷に打たれて信仰に目覚めて - “The Blues Brothers”みたい - 牧師に諭されて軍隊に入ってフランスに送られて、ライフル射撃が得意だったので戦功をあげて英雄になって故郷に凱旋する、っていう一代記なの。
真珠湾攻撃された頃に公開され、その年の興行収入トップで、多くの若者がこれを見て徴兵を志願した戦意高揚映画と言われるのだが、中味は相当いいかげんな気がした。 雷に打たれて開眼、とか、人を殺すためでなく守るために戦争にいくんだ、とか、そのくせ口笛ひゅい、って吹いて七面鳥が首だしたところを撃つ得意技をドイツ兵相手にやっちゃうとか。 そんなのStar Warsを見て戦争行こう、っていうのと同じくらいかと思う。
とにかく、そういういい加減さたっぷりの法螺噺をいかにもっともらしく映画的に構成するか、ていう観点からするとそれはそれはおもしろくて一気に見れるのだが、こういうのに心底感動してしまうひとっていちど雷に打たれたほうがいいのかも。
いろいろオープンしてから最初の小遠出、ということで毎年初夏になると行くKew Gardensに。 Maids of Honourのエッグタルトも食べて、カモやグースと遊んで、もうじき夏だわ7月なんだわ、ってようやく思ったかも。 そのうち夜の穴熊観察ツアーに行きたい。
7.06.2020
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