1.10.2020

[film] Hands Across the Table (1935)

3日の晩、BFIのCarole Lombard特集で見ました。
この日の昼間は新作映画の最初の1本として”Little Women”をもういっかい見た。幸せしかない。

監督はMitchell Leisenで、競演はFred MacMurray。この作品が当たったので、30年代には彼と一緒にこの後3本作られている。

ホテルの美容室でマニキュア師をやっている(だから”Hands Across the Table”)Regi (Carole Lombard)はお金持ちと結婚して玉の輿を夢見ていて、ホテルで優雅に暮らす元飛行機乗りで今は車椅子のAllen (Ralph Bellamy)からの毎度の指名も嬉しいのだが、ある日その部屋の外でケンケン跳びをしているTed (Fred MacMurray)とぶつかって、変なヒト、って思うのだが彼が大金持ちのTheodore Drew IIIであると知ってびっくり、こいつはモノにしないとな、と思うもののほんとに彼からの指名が来たら緊張しまくって彼の爪先を血だらけにしてしまう。

でもTedといろんなことを話していくと楽しくなり、そのうち彼の一家は大恐慌のあと破産状態で彼も文無しの宿無し(なのでRegiのアパートのソファで寝る)、しかもパイナップル資産家の娘と婚約していることがわかって、そんなら話がちがうしさよならー、なのだが一緒にいて楽しいし猫みたいにずっといるので別れ難くなって、他方でAllenはRegiが好きでプロポーズしようとしていて。

Tedと婚約者の電話の最中、交換手のふりして横から無理やり突っこみ入れて妨害するRegiのシーンが爆笑もの(でもこれがきっかけで婚約者にバレてしまう)で、こんなふうに底抜けに弾けてバウンドする彼女のエモがあっけにとられている共演者を巻きこんで止まらなくなり、そこしかありえない結末に強引に誘う、っていうのが彼女のrom-comのすごさだよねえ、って改めておもった。

In Name Only (1939)

7日、火曜日の晩に見ました。Cary GrantとCarole Lombardの競演なんてぜったいおもしろいどたばたコメディで.. と思ったら、しっとりしたメロドラマみたいなやつだった。

原作はBessie Breuerによる35年の小説 - “Memory of Love”、RKOは競演にKatharine Hepburnを見込んで権利を買ったのだが、”Bringing Up Baby” (1938) - 『赤ちゃん教育』 の興行的失敗でKatharineが降りちゃったところにCarole Lombardがやりたいって入っていったと。

裕福なコネティカットの一帯でお金持ちのAlec (Cary Grant)が未亡人で子連れのEden (Carole Lombard)と出会って、明るく快活な彼女にAlecは惹かれて仲良くなっていくのだが、その反対側で彼の実家は典型的なつんけんした東部のお金持ち一族で、特に妻のMaida (Kay Francis)は邪悪でおっかなくて、Alecはそれら何もかもが嫌で離婚しようってずっと言っているのに彼女は首を縦にふらず、彼の父母を味方につけてあれこれ仕掛けてくる。で、Alecはますます家に近づかなくなってEdenと一緒にいるようになり、そのうちEdenも彼のそういう事情を知ってそれなら別れましょ、ていうのだが、だんだんに彼を好きになって一緒にいたくなって、そうして迎えたクリスマス、一応義理で実家に顔をみせたAlecにMaidaが酷いことを仕掛けたので、彼はひとりバーで飲んだくれて朝までしょんぼり過ごすことになり、けっか体調が悪くなって、最初はインフル程度と思っていたのに実は相当ひどい重症で、医者は体力的にもつかどうかは五分五分ですが、精神的に弱っているので彼の支えになる方が必要なのです、ってEdenが、え? わたし? とか言っていると突然奥からMaidaが現れ..

最後まで気を抜けないおっかないドラマで、Cary Grantでもあんなに顔色わるい死人みたいな演技するんだ、ていうのとCarole Lombardは泣き崩れたりすることなくどこまでもCarole Lombardだねえ、とか思った。Kay Francisもすごかったのだが、もしこの役をJoan Crawfordあたりがやっていたら..


あああ、Neil Peartが..   年の初めからつらすぎる… 

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