11日、土曜日の夕方にCurzonのVictoriaで見ました。 Guy Ritchieによるオールスタークライムコメディ?
アメリカ人のMickey Pearson (Matthew McConaughey) は学生の頃から英国のキャンパスでマリファナ売買のビジネスに取り組んで、大人になった今はお金持ち - Matthew Berger (Jeremy Strong) - の後ろ盾もあって栽培から流通までしっかり固めているのだが、アメリカや中国のマーケットとかも考えなければいけなくなって、中国の方はDry Eye (Henry Golding)っていう威勢のいいやくざが出てきたりして、だんだんに食うか食われるかの争いになっていく。
ていう割とオーソドックスなドラッグビジネスをめぐる覇権争いをタブロイド・ジャーナリストのFletcher (Hugh Grant) – すごくうさんくさ - がMickeyのパートナーのRaymond (Charlie Hunnam)を相手に彼ってあんなことをしたよね、こんなこともやっちゃってるよね、写真とかあるけどどうする? とか問い詰めながらゆっくり脅してて(お金くれないと公表するよ)、いろいろ面倒なの。
基本はとっても男臭い英国(の)男子がやりあうドラマなのだが侮れないMickeyの妻のRosalind (Michelle Dockery)とかちんぴら軍を配下におく怪しいCoach (Colin Farrell)とか、脇のひとりひとりも粒が立っていておもしろい。
英国のすごく上流の方からジャージ着たちんぴらあんちゃん達まで、アメリカ人にチャイニーズマフィアにジャーナリスト、はっぱにナイフに銃に氷漬け、それらのぐじゃぐじゃが描きだす「英国」の”The Gentlemen”のいま。時代も世界もぜんぜん違うけど、例えば”The Irishman” (2019)が描きだした広いようで実は狭いところできゅうきゅうしていて面倒になるとすぐに消しちゃう殺しちゃう男の世界のありように似ていないことはない、かも。
もうちょっと豪快に破天荒に英国のアメリカ人としてのMickeyが動き回ってくれるのかと思ったけどそうでもないし、その役割は角刈り若頭のDry Eyeかと思ってもそんなでもなくて、細かい暴力や脅しのうねりがでっかい抗争の波に繋がっていくかというと、それらはところどころで邪魔されたり分断されたりで、大ナタでだん、爆弾でどーん、みたいなところには行ってくれない。いまの時代なんてそんなもんよ、と言われちゃったらそれまでか。
やくざ者の喧嘩上等で痛かったり痒かったり肌に近い痛覚をくすぐってくるのがGuy Ritchieの芸風だった気がするのだが、なんか考えすぎたのか練りきれなかったのか大勢でやりすぎたのか、あんますっきりしなかったかも。犯罪(者)を扱った映画でいうと、Safdie Brothersの最近のとかを見てしまうと圧倒的に弱いし。
でもMatthew McConaugheyは変わらずMatthew McConaughey風味たっぷりだったし、Hugh Grantの絶妙にせこいかんじはたまんないし。 Henry GoldingがもうちょっとCrazy Richに弾けて暴れたり、逆にぼこぼこにされたりしたらなー。
1.16.2020
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