7.30.2019

[log] July 2019

7月にあったあれこれをまとめて。

Wimbledon

スポーツに関しては、しない見ない買わないの3原則を貫いて生きてきたので、ロンドンに来て誰もが喜んでいくサッカーも全英オープンゴルフもクリケットも全然、だし、夏の風物になっているらしいWimbledonのために朝5時に起きて走ってチケットの列に並ぶ、ていうのも一切無縁で来たのだが、ここにきて仕事の関係でお誘いがきて、断るのも面倒だしパスしようと思ったのだが女子シングルの準々決勝とかいうし、文系観点から見ておいても面白いかも、っていくことにした。

ただ集合は11:00とかでまずランチ食べてから、とかタイムテーブルにはアフタヌーンティー、とかも入っているのでげげ、ってなって、仕事との辻褄みたいなとこでいうとあれこれ面倒ぽいので、会社休んでいった。 テニス観戦としては90年代の全米オープン以来。(←今回のと同じ動機)

最寄りの駅まで地下鉄で、そこから沿道を20分くらいみんなぞろぞろ歩いて、どっか田舎のライブハウスに向かうかんじ。 センターコートはスタジアムふうではなくてランチもコースでちゃんと出てきて、時間過ぎたらクラシックのコンサートみたいにゲームが終わるまで入れてくれないし、入ったらマナーはうるさくてお喋りしていると怒られるし。

最初のゲームはSerena Williamsが登場、だったので、わーかっこいい!しかない。彼女が勝って、アフタヌーンティー(+名物らしいイチゴのクリームかけ。飲み物のPimm’s ← 危険)して、次のは英国の選手(Konta)が出ているので盛りあがって、でも彼女は惜しくも負けちゃって、更にこれで終わりではなくて、夕方から混合ダブルスもあって、Serenaがまた出てきたのでびっくりした(Andy Murrayとの夢の組合せ - だって)。

相手方の男性の138mphのサーブをぱしーんて一瞬で跳ね返したつーんとしていたSerene、MCUのヒーローみたいにとんでもなくてあれを見れただけでも。

全体のノリはクラシックの音楽会みたいで、みんなテニス愛に溢れていて、なんかよかったかも。

Royal Ascot(馬)も行っておいたほうがよいかんじがしてきた。

Manga

大英博物館の展示。13日の土曜日にようやく見た。周りが割とすげーすげー言ってるのでなんかあんま乗らなくて。こういうのって、自分の好きな漫画家や漫画がどれくらい展示されているかによって評価分かれたりするのかもだし。 わたしが最後に漫画誌を定期的に買っていたのは80年代初のLaLa(それはそれはすごかったんだから)までで、それ以降は特定作家の単行本を除けば完全に止まっているので、あれこれ言う資格なんてないのだろうけど、そんなんでもひととおりは楽しめたかも。

最近思うのは高度成長期の「あしたのジョー」とか「巨人の星」とかのスポ根モノとか後の少年ジャンプ的なあれこれが量産してまき散らした価値観とか精神風土ってぜったいに今のブラックでヤンキーで女性蔑視まるだしのにっぽん企業文化の根っこにあるよね(そして批判されないよね)、ってことと、さらにこれが最近の日本すげーの(日本だけの)空気に乗って拡がっていくこと(キュレーションした人にそんな意図がないことは十分にわかるものの)を想像するときついなー、って。

でも「ねじ式」のあの原画とか、国芳の鯨退治から「さよならにっぽん」の表紙とか、「!」、のところもいっぱいあった。

でも大島弓子がないのはさー、とか。 やはりウナギイヌじゃなくてニャロメではないか、とか。

でもみんな親子でわいわい楽しそうに見たり読んだりしているのはよいなー、って。

ほんとはこういうの、常設で展示閲覧できる施設が日本にあるべきなのよね。

大英博物館のこれまでの日本関連企画展、春画→北斎→漫画 って別にいいけど、もっとよいの絵だっていっぱいあるのになー、とか。

あと、大英博物館でいまやっている展示だと”Edvard Munch: love and angst” もすばらしいので、こちらもぜひ(ぜったい)。

Félix Vallotton: Painter of Disquiet

Royal Academy of Artsで、14日に見ました。2014年に三菱一号館でも特集があったVallotton。

キャリア初期のパリ時代の技術はすごいのだが、やはり室内のドラマを描いたひとなんだなあ。10枚組みの木版画 - “Les Intimités” (1897-98) で描かれた愛憎がこの展示のメインヴィジュアル - ”La Visite”(1899)に繋がっていって、家具や人物の配置と色彩がもたらす緊張、ひとりの顔はいつも半分しか見えないこと、など、それらを/それでも「親密さ」で括ってしまう強さ。 
あとはGertrude Steinの堂々とした肖像画とかRed Pepperとか。

関係ないけど、Second Shelf(古本屋)でGertrude Steinの古本を買ったりしているのだが、こないだ、ほれこんなのあるよと見せられたのがあって、頭を抱えている。

Summer Exhibition

Royal Academy Artsの夏の風物詩 - Summer Exhibition、今回はじめて行ってみた。

よく並べたよね、ていうくらいのすごい物量で、家具屋とかその倉庫みたいにどっさり並べられていて、渡された冊子で値段をみて、欲しければ後でオンラインで購入することもできる。写真・絵画系だと£1000~£5000くらいのが多いけど小さいのだと£200くらいのもあるし、見ていると笑っちゃうのもあったりして楽しい。 アートってなに? っていう子供にはここに連れてくればよいのかも。過去にはすごい人たちもいっぱい参加しているの。

https://www.royalacademy.org.uk/summer-exhibition
 
Van Gogh and Britain

21日にTate Britainで。 ゴッホが若い頃(1880年代)に訪れた英国で、彼がいかに英国の風景画や下層階級の生活を描いた作品から影響を受け、自身の視野とかスタイルを確立していったのか、を英国いいでしょ?の観点を交えつつ掘り下げている。2017年にここであった展示 - ”Impressionists in London” とおなじようなかんじ。

もちろん彼から影響を受けたという英国作家の絵もいっぱいあって、Vanessa Bellが描いたRoger Fryの肖像とか、そうなの? もあったけど。Francis Baconのゴッホ3部作については、Vincente Minnelliの”Lust for Life” (1956)からの影響あるよね、とその動画も並べてあるのだが再生機械が壊れていたり。

あと、Dulwich Picture Galleryの記帳にゴッホのサインが!とか。

BBC Proms

今年もやってきたBBC Proms(低価格でいっぱいクラシックを聴こう)の季節。
最初のは28日、日曜日の晩、Royal Albert HallでBBC Symphony Orchestra (conducted by Sakari Oramo)の演奏で、Olivier Messiaenの”Des Canyons aux Étoiles …”   『峡谷から星たちへ…』。1曲約100分休憩なし。

当日チケットを取ってなんとなく行ったのだがなかなかものすごかった。
70年代初にAlice Tullyが委託してAlice Tully Hallで初演されたアメリカの大自然をテーマにした作品、とのことだが、ピアノとホルンと鉄琴と木琴のソロ、さらに奥にパーカッション5人で、あんなにきーきーさーさーひゅーひゅーかんかんぽこぽこ高音域(鳥とか風とか)のやかましい、現代音楽した現代音楽って久しぶりで爽快だった。

今シーズンのPromsは他に、Jonny Greenwood氏特集、とかYuja WangによるRachmaninov(は今のとこ絶賛売り切れ中)。行けるときに行ってみよう、くらいで。


英国の首相が新たに白ブタ野郎(白ブタごめんね)になって、米国の膨満レイシスト屑大統領もそうだけど、あの喋り方がほんとうに嫌で嫌いで、家のTVであの声が聞こえてくると消す、をやっていると殆どTVつけていられなくなってしまった。 これでは日本にいるときとおなじではないか。別にいいけど。

誰も騒いでないし騒がれないだろうけど、Sacred Pawsの新譜はよいわ。大好き。

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