7.15.2019

[film] The Cure: Anniversary 1978-2018 Live at Hyde Park (2019)

11日、木曜日の晩、CurzonのBloomsburyで見ました。

昨年のHyde Parkでの40周年記念ライブ、見逃して悔しかったことについてはあと1000回くらい書けそうだけど、当日の公演を収録したライブフィルムが、この日の夜20:30とか21:00とかにLondonじゅう(or英国全土?)の映画館で一度だけ上映された。そのうちソフトでもリリースされるかされたかなのだろうが、大きな画面と音で見るに越したことはないので、行く。

だるかったら寝ちゃえばいいさ、くらいのノリで、シアターは近所の学生とか夫婦とかが大半で半分埋まっていなかったかも。 そんなもんでいいのさ。

監督は彼らの沢山のPVとかライブフィルム”The Cure in Orange” (1988)を撮っているTim Pope。
”Orange”は好きで、LDで持っていたな。

まだ明るくてとても過ごしやすい夏の夕暮れなのに「暗くて冷たくて世界が終わっちゃうみたいだよ」と静かに告げる”Plainsong”から始まって、定番のヒットソングをがんがん流していく。40周年を記念して全活動を網羅的に並べるのであれば、これの少し前の6月24日、Royal Festival HallのMeltdown Festivalで2部構成の“From There to Here” ~“From Here to There”として旧→新、新→旧の順でなめていったやり方の方がよかったのかもしれない、けど、こちらの方がノリはぜんぜん違うのだろうし。

歌詞も世界観も暗いのばっかしで、でも沈んでいかないどころかどんどんポジティブになっていくような気がするのは曲のトーンもあるしぜんぜん萎れていかないRobert Smithのドラえもんシルエットもあるし、基本は”Boys Don't Cry”ていうガキの歌で、個々の内面を曝したりその中身をぶちこんだりすることを始めから放棄している – or – そういうのとは別の実存、のようなところにフォーカスしているから("Killing an Arab"におけるカミュの『異邦人』への目線)。 だから世界の終わりも恋の始まりも同じ(ひとり浜辺に立って海をみている)線上でぴょんぴょこ歌えるのだし、本編が”Why Can't I Be You?”で閉じて、立ちあがりつつある夜の闇に向かって”Boys Don't Cry”が始まり、最初期の曲たちで締まるのは象徴的かも、って。こ れでバンド名はThe Cure - 最初期はEasy Cure、なのだし。

彼らを一番聴いていたのは”Faith” (1981)が出た頃で、当時はこれとThe Durutti Columnの“LC” (1981)をウォークマンに入れてえんえん聴いて外の世界は一切遮断していた(当時はそういう言葉なかったけど引き籠り、よえ。聴いていないときはずっと図書館にいた)。 なんだけど、結局”Faith”からの曲はやらなかったのね。こういうライブであの曲をやったやらなかったを言っていくときりないけど、そういえば"Charlotte Sometimes"もやらなかったねえ。

バンドの音は申し分ないのだが、ボトムがSimon Gallup - Boris Williamsだった頃の音が大好きなので、ううう、って。横にいるギターのおじさんは誰? と思ったらReeves Gabrels  (..Tin Machine)だったのね。

2週間後のFujiもきっとすさまじいライブにしてくれることでしょう。 楽しんでね。

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