12日、日曜日の午後に見ました。
見れずに悔しい思いをした(まだ見れてない)”Tangerine” (2015)のSean Bakerの新作。
予告が流れ始めた時からこれはぜったい見たい、と思っていた。
Floridaのディズニーランドがある一帯の外れ、観光と住宅がまだらになってどんより寂れた一画の安モーテル(長期滞在可)に長屋みたいにいろんな家族がわいわい暮らしていて、そこの修繕管理人がBobby (Willem Dafoe)で、そこに暮らす若いシングルマザーのHalley (Bria Vinaite)と6歳のMoonee (Brooklynn Prince)がいて、彼女が遊び仲間の男の子Scootyと女の子Jancey (Valeria Cotto)と過ごしたひと夏のいろんなこと。
最初のほうは悪ガキトリオがかんかん照りのフロリダの陽気のなか、楽しそうに行進しながらかわいいイタズラとかローゼキ(建物の設備室に入って電源落とすとか)とかソフトクリーム貰ったりとかを長屋周辺の人々とか人のいいBobby相手に繰り広げてきゃーきゃーわーわーはしゃぎまくる、それだけなのだが、それで十分おもしろいの。 そうやって遊んでいくなか、冒険に出かけた廃屋で火遊びをしたらそこが火事になって、当然しらばっくれるのだがScootyのママはあいつらのせいだって、Mooneeたちと遊びに出ることを禁じて、それまでは仲よくつるんで夜遊びしていたHalleyとも縁きって、猛り狂ったHalleyが殴りこんでいったり、道端で観光客向けに香水売ってたふたりの行商もどん詰まって、家賃が払えなくなって他に行ってくれと言われたり、他の住民からは子供がいるのにやばいことやってるって通報されて取り調べられて、雪だるま式に悲惨になっていくの。
でも、こんなふうにHalleyはひとり満身創痍なのだけど、Halley - Moonee組は変わらず最強でキュートだし、Mooneeの笑顔とキューピー・ボディに勝てる奴なんてひとりもいないの。
ああこれどうなっちゃうのかしら、とはらはらしていたらラストはあんなふうになる。 そっちかー! と思ったけど考えてみればやっぱこれしかないよなー、って感心した。
どっちにしたってガキ共は最強でそのままどこまでもぶっとんでいってほしい。
そしてHalley負けるな! って。 彼女を見ていてKatell Quillévéréの”Suzanne” (2013)のSuzanne
を思い出したわ。
誰もが自分にとっての夏休みの冒険とか、近所にいたおっかないおばちゃんとか気のいいおじさんのことを思いだすことでしょう。 どこかしら『長屋紳士録』 (1947)のような感じとか。それがフロリダのあんな角度からあんなきらきらしたアメリカの駄菓子みたいな意匠で現れるとは思わなかった、ていう嬉しさもあったねえ。
今の日本の子供達のことを憂うのは杞憂、かしらん。
11.19.2017
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