7日の月曜日と8日の火曜日、Cafe OTOで"Trembling Bells – Summer of Love 50th Anniversary Residency w/ Mike Heron + Ed Askew" ていう二日間のライブイベントがあって、Trembling Bellsていうグラスゴーのバンドをバックに Ed Askew(7日)とMike Heron(8日)がライブをすると。 2日間通しのチケットは£22で、この値段でこのふたりを見れるなら、と、First Summer of LoveもSecond Summer of Loveもよく知らないしわかんないし、なによりもここんとこ寒くてもう夏なんかどこ探しても見つかりそうにないのだが、とにかく行ってみる。
Ed Askew
この人はNYでずっとやってきた人で、"Ask the Unicorn" (1968)は少し前に再発もされたし、一部では有名ではなかろうか、と思うし、NYにもSummer of Loveがあったのかどうかはわかんない、けど、いちおう化石っぽい伝説のひと(1940年生)ではあるので見ておきたかった。
前座がPoetry Reading - Amy Cutlerさんで、スマホで鳴らすカラオケのしゃかしゃかしたバックにあわせて詩を読む、ていうおもしろいので、そのあとでEd Askewさんが出てきて高めの椅子にちょこんと座って、最初はピアノとのデュオ、そこにバイオリンが入って、更にTrembling BellsのDとBとGが入って、という流れで、でもバックが薄くても厚くても言葉を区切りながら囁くようにゆっくり歌ってハーモニカ(すばらし)を吹いて歌って、というスタイルは変わらず、Summer of Loveがどうこうはどうでもいいのでずっと歌っていてほしい。 演奏したのはほとんど新曲だったのもすごい。 Google行けば買えるからね、って言ってた。丁度1時間くらい。
Mike Heron
2日目の火曜日、初日と同じ時間19:50くらいに行ったら結構な行列であらやばし、で、早いもん勝ちの椅子席は取れなくて、まだ火曜日だし途中で体力使い果たしてしんじゃうかも、だったが読みが甘かった自分がわるいのよね。
前座はふたつあって、Poetry ReadingのJeff HilsonさんとギターいっぽんのAlasdair Robertsさんと。 前者はレコ屋のPOPみたいに、このバンド(orシンガー)が好きだったらこのバンド(orシンガー)を聴きなさい、を韻を踏み踏みえんえん並べていくのがめちゃくちゃおかしい。
Mike Heron (b.1942)さんが出てきたのは22時近くで、若い女性のKey & Choが両脇(ひとりは彼の娘さん)、背の高い魔法使いみたいなフィドルとTrembeling Bellsの3人がバックで、畑仕事からそのまま来ましたみたいなナリで、昔の絵巻物に出てくるGnomeみたいなMike Heronさんが満面の笑顔を浮かべて歌いだすと途端に月も星も太陽もいっぺんにぱーっと輝いて回りだして、音もカラフルに全方向からじゃかじゃかばんばんどかどか太鼓に弦に笛もぴーひゃら鳴りだして、昨日の様相とは余りに違うので恋の夏もいろいろなのね、だったが、ああこれが俗に言う(言わないけど)Incredible String BandのIncredibleな魔法か、と。 他に例えるのが難しいのだが、出てきたころの上々颱風がたしかにこんなふうだった、といって何人のひとにわかってもらえるかしら。
お盆の祭囃子 - Party musicをフォーキーに再構成しただけではないか、というひとはいうかも知れないが、音の粒の麩菓子みたいに溶けて消えちゃう儚さとISBの詩のもつ力強さとそれを空中に放つ複数の歌声がスパークして渦を巻いて異様な空間を、それこそSunn O)))やBorisにも負けないくらいの(逆向き重力の)磁場を作っていた。 あんなすごいとはねえ。
真ん中くらいでやった“Painting Box”とラストの“A Very Cellular Song”、このふたつが聴けたので7曲、50分くらいだったけどとっても幸せで、いちばん最後は娘さんとふたりでアカペラで歌ってしゃんしゃん、だった。
”Little Cloud" もやってほしかったなー。
いま、BBC FourでGlen Campbellの追悼番組やってる。
70年代のライブで、ピアノ弾いてるのはJimmy Webbで、泣きそう。泣け。 RIP
8.11.2017
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