8.08.2017

[log] NYそのた - July 2017

NYの本とか雑誌とかレコードとか食べ物関係。

展覧会のカタログ以外だと、Mast Booksで買ったやつ。

Jeannette Lee. "Private Image"

なんでこんなロンドンなブツをNYの本屋で見つけてるんだろか。
Jeannette Leeが"Metal Box"(1979) 〜 "The Flowers of Romance" (1981) 期のPILとその周辺の友人たちをポラロイドで撮っていたその束をJarvis Cockerが見つけて本にすれば、といって出来あがったのがこれ。 タイトルからしてもろ。
登場するのはJohn Lydon、Keith Levene, Martin Atkins, Vivien Goldman, Don Letts, Shiela Rock, やがてJohnと結婚することになるThe SlitsのAriのママ、などなど。

"The Flowers of Romance"のジャケットに写っているのが彼女で、更にそのジャケット写真自体も同じポラロイドで撮られたものでここに載ってて、"The Flowers of Romance"のシングルのジャケットデザインも原型が貼ってあるし、ええー.. みたいな話も巻末のJavisとJeannetteの会話でいろいろ明らかになって、30年前の一時期、少しだけ親しくなった友人の消息を聞いているような不思議なかんじになる。 当時彼らが活動していた場所とかも(そんなに遠くない)。

あと古本で、François Truffautの”Small Change” - 「トリュフォーの思春期」の小さなノベライズ本。76年にA Black Cat Bookていうとこから出てて、写真がどれもかわいい。

Daniel Kane “Do You Have a Band: Poetry and Punk Rock in New York City"

Columbia University Pressから出ている論文みたいなやつで、まだぱらぱらなのだが、Richard Hell, Patti Smith, Lou Reed, Tom Verlaineらの詩(& Punk)は、60-70年代のNY Localの詩人たちの活動とどう関わりながら形作られていったのか。 Punkの詩というとランボーとかギンズバーグとかに短絡的に結びつけられがちだが、NYの場合、それだけではないのだ、と。

Lizzy Goodman “Meet Me in the Bathroom: Rebirth and Rock and Roll in New York City 2001-2011”

どこの書店でも平積みになってて、でもハードカバーで分厚いので買うのは諦めて、でも戻ってきた直後にこっちのRough Tradeに行ったらソフトカバーのサイン本が置いてあったので買った。
これ、おもしろくてとまんない。 タイトル通り、2001年から2011年までのNYの音楽シーンの狂騒を関係ミュージシャンの証言や座談を中心に纏めているのだが、2001年から2006年までは自分も居て日々ライブハウスを渡り歩いたりしていたので、ものすごくよくわかる。どこからでも読めるし。 2001年ていうのはThe Strokesが爆発した年ね、ねんのため。

あの頃ってさー、週末の日中は映画3本続けて見て、夜はライブをはしごとか、割と普通にやってた。それだけライブハウスもあったし、ライブもいっぱいあったのよ。 いま同じことやったらしぬけど。

一箇所びっくりしたのが、LCDのJames Murphyの話で、LCDの前はPonyっていうバンドにいてさー、ていう箇所があって、え...Ponyって見てるんだけど、あなたあのバンドにいたの? だった。 CBGBでWedding Presentがやったとき、前座が3つくらいあったのだが、その3つめだったの。 なんで憶えているかというと、終わってからCD探したりしたくらいに彼らよかったから。 かっこよかったのはJamesではなくてギターの彼だったけど。

雑誌はロンドンではぜんぜん買わなくなってしまって - 結構無料で配っていたりするので - だからNYでは買わなくなるかというとそんなことはなかった。 創刊の頃から買っているGather Journalのテーマは”HEROINES: Women and Art”で、例えば女性の映画監督をテーマにしたコース料理が組んであったりして楽しい。アミューズがLina Wertmüller & Amy Heckerling, スターターが Sofia Coppola, メインがJulie Dash, デザートがJane Campion,  とか。 お料理はなあ…

レコードはBrooklynには行けず、12th stのAcademyで12inchふたつ、Generation Recordsで7inchふたつだけ。
戻ってからだけど、Brian Enoのソロ4つ、Rough Tradeでサイン入りがだーん、てあったので、はじめて大人買い、みたいのしてみた。

食べ物は、新規開拓系はロンドンで犬みたいに掘り続けている(掘っても掘っても..)ので、今回は思いっきり回顧系の、懐かしいから食べたいんだよう、なやつばかりにした。 LondonとNY、やっぱりぜんぜんちがうねえ、ていう確認も含めて。

Russ & Daughters Cafe(28晩: オランダニシン) → Lupa (29昼:カルボナーラ) → Blue Hill (29晩:豚豚豚) → Prune (30朝:パンケーキ) → Lafayette Grand Café (31朝:たまご) → Prince St. Pizza (31昼:ピザ)

なんといってもオランダニシンだわ。あれ食べにオランダ行ってもいい。
Pruneは朝10:00のオープンに並んだのだが(映画の時間があったので)、時間がきて始まる直前にお店のみんながどんちゃかおお騒ぎするの楽しかった。

唯一悔やまれるのが31日で現在のお店をCloseしてしまったBouleyで、もう少し前に予約できていればー、だったのだが割りこむことはできなかった。

下記の記事にもあるようにBouleyていうのは90年代以降のNYの食のありようを変えるくらいに大きな存在で、昔のDuane St沿いにあったところで食べたお皿はとんでもなくすごくて、彼はまたどこかで再開してくれるのだろうけど、なー。

http://www.grubstreet.com/2017/07/bouley-restaurant-will-close.html

行きの飛行機 - 帰りの飛行機で、一本づつ見た映画を少しだけ。

Table 19 (2017)

Duplass兄弟製作によるコメディで、過去いろいろあった親友の結婚式に意を決して出席したEloise (Anna Kendrick)だったが、披露宴であてがわれた席は19番、一番遠くてはぐれ者みたいな連中が寄せ集められたテーブルで座ってるひとりひとりが変すぎて、あーあ... って真っ暗になるの。
いかにもDuplass兄弟、ていうかんじのひねくれたコメディで悪くないけど、もうちょっとおもしろくできたよねえ。
彼らHBOでは"Room 104"てやってるのね(未見)。

I, Daniel Blake (2016)


以前に飛行機で試したとき、冒頭の会話のとこで挫折したやつをもう一回。 最後まで見れたけど、お話はきつくて悲しい。
(テーマと直接関係ないけど) 社会のいろんなのが外出しされてきれいにサービス化されていく裏側で、巧妙に貧困や格差の問題が隠されてしまう現実。 それをやっている(それで儲けておいしい思いをしている)のは誰なのか。
日本もあんなふうになっていっちゃうのよね。きっと。(もうなっているのか)

こんなもんかしら。 まだあったかしら?

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