1.02.2016

[film] In No Great Hurry: 13 Lessons in Life with Saul Leiter (2014)

どうやって書いていったらよいものか、考えるのも面倒なので最近見たやつから書いていくことにする。
まだ憶えていて書きやすいし。

12月29日の午前中、渋谷で見ました。
「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」

同じ映画館では、丁度いま、もうひとつ写真家のドキュメンタリー「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」をやっていて、こちらも見たいなー、とは思うものの、ヴィヴィアン・マイヤーさんはこんな形で探されたくなかったんじゃないかしら、というのが引っ掛かってあまり乗れないの。
そこいくと、冒頭で被写体であるSaul Leiter本人が「映画にする価値なんてあるもんか」とカメラに向かって毒づくこっちのほうが、まだおもしろいのではないか、と。

2006年にSteidlから出た”Early Color”の衝撃 - そのかっこよさは十分わかるのだが、2014年(もう一昨年か..)- おそらくこの映画の発掘・整理の成果が反映されたと思われる2冊組 - ”Early Black and White”がものすごくよくて、あれに出会わなかったらこの映画を見たいとおもうこともなかったかも。 映画のなかで、W. Eugene Smithとの接点が確認できたのはよかったし。

Saul LeiterさんがEast Village (9thか10th st?)の仕事場でお片づけ(いろんな箱からいろんなものを引っぱり出して並べたり)をしながらいろんなことを語ったり、近所を散策して写真を撮ったりしながらいろんなことを語ったりする。 それだけ。
タイトルにある”13 Lessons”はそんな大上段なものではなくて編集段階でつけたようなかんじもする。 肝心なことは”In No Great Hurry” - そんなに急がないことじゃよ、ていう仙人の言葉のほう。

そして「人生で大切なのは何を得るかではなく何を捨てるかだ」ていうメッセージも、お片づけの文脈で見ると「あぁん?」であるがその後にはこう続くのである。

I've enjoyed having books.
I've enjoyed looking at paintings.
I've enjoyed having someone in my life
that I care about who cares about me.
I attached more importance to that
than I did to the idea of success.

いいよねー。

あと、仕事場にいる灰白猫(名前はLemon)がすばらしい猫映画でもある。 Saul Leiterって猫のひとだよね、と思ったとおりに、そこに転がっている猫。

彼の暮らしていた界隈に関するレポートはここに。
http://aperture.org/blog/saul-leiter-east-village/

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。