16日の土曜日の晩、渋谷の「未体験ゾーンの映画たち2016」で見ました。
特集「未体験ゾーン…」 て、タイトルからしてホラーとか変態系に寄りがちのようだけど、もうちょっとラブコメみたいのもやってもらえないものかしら。 そういうのはカリテのほうでやることになっているの?
タイトルそのままに、”Death” というバンドのドキュメンタリー。
2013年のSXSW Film FestivalでAudience Awardを受賞している。
Deathは70年代初、Punkの遥か以前にデトロイトに現れた”Punk”バンドで、その音源が2009年、34年の時を経て奇跡のようにDrag Cityからリリースされた、その辺の事情は映画でも引用されていた以下の記事もあって一応知ってはいた。
http://www.nytimes.com/2009/03/15/arts/music/15rubi.html
映画の前半はバンドが生まれてから消えるまで - デトロイト郊外のHackney家の次男三男四男のDavid, Bobby, Dannisが3ピースのバンドを組んで自宅内の部屋でばりばり練習をして、デモを作って売り込みに出て、AristaのClive Davisのところまで行くのだがバンド名がネックとなってリリースには至らずにお蔵入り、バンドは77年に解散して、やがてリーダーのDavidも亡くなってすべてはどこかに埋もれて消えて。
後半は00年代後半、かつて500枚を自主制作した最初の7inchの音がアンダーグラウンド市場とネットの片隅で話題になって、その曲をどこかのパーティで耳にしたBobby Hackneyの息子が、これ歌ってるのうちの父ちゃんじゃね? て驚愕して父親に聞いてみたらそれを認めて... この辺がいちばんおもしろくて、そこから実家のどこかに眠っていたマスターを掘り起こして、レコード発売と再結成と。
バンドの歴史と共にPunkとしての、或いはバンドとしての軋轢や戦いの軌跡がぐさぐさと描かれているかというとそういうのはあまりなくて、残っているメンバーや家族の証言はとってもフレンドリーでポジティブで、トーンとしてはR&BやSoul系のBehind the ceneドキュメンタリーとあんま変わらなくて、いや、別にいいんだけどね。 デトロイト郊外の家族のお話しとして見れば。
さて、この”Punk Before Punk”を、未だ”Punk”の概念が存在しなかった時代に生まれた音を、果たして後付けのようなかたちでPunkと呼んでしまうことが可能なのだろうか? についてはそもそものPunkの定義や起源をどこに置くのかとか、そんなの別にいいじゃんかっこよけりゃ、とかいろいろあるのだろうが、わたしはDon Lettsを師と仰ぐUK Punk原理主義者であるので、まあなんというか(ぶつぶつぶつ)、であった。
でもインディーなんて存在しなかった時代、どれだけ積まれても泣かれても断固バンド名を変えずに走ろうとした意固地さ石頭とかは偉かったかも。
エンドロールのとこで流れるDavidのソロ”Yes He's Coming”が、なんかとってもしみた。
結局のところ、いなくなってしまったDavidへの家族からのラブレターで、それでいいんだろうな、って。
しかしレコードコレクターの世界っておそろしいな。そのひとりとして登場するJello Biafraさんとか。
あと、Elijah Woodさんとか ...
1.24.2016
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