1.08.2016

[film] The Little Prince (2015)

もうずっと昔々、11月の28日の土曜日の晩、日本橋で見ました。

冒頭で、Wild Bunchのロゴが出てきたので、あ、だいじょうぶかも、よいかも、て思った。

おおもと(≠原作)の「星の王子さま」(内藤濯訳)は小学校の頃からずっと読んでて、大学でも半年間(日本語テキストだけど)中味を勉強するゼミにいた、くらいずっとお気にいりで、「バナナブレッドのプディング」と並んでいまの自分を作った本のひとつで、映画も予告をみたとこで内容はだいたい予測ついて、外れなかった。 (あ、成長した王子が出てくるとは思わなかったけど)

ママ(The Mother - Rachel McAdams)はシングルだけどばりばりのお仕事ウーマンでお受験を控えた小学生の女の子(The Little Girl)が、冒頭で入学面接に失敗して、最後の手段として志望校の通学圏内に引っ越してくる。 引っ越してもお勉強と規則正しい生活は必須でがんばるのだが、隣にへんなじじいが住んでて、余りにやかましいのでなんか覗いてみたら何故か飛行機とか置いてあってなんか楽しそうでだんだん道を踏み外していくの。

老師との出会いを経た少女が大人の世界を渡りながら大切なことを学んでいく。 ていういつもの、ほんとによくあるお話し。
原作は砂漠に不時着して先が見えなった、死を覚悟したパイロットが変な子供と出会う、というお話し。(だから本当は大島弓子の「金髪の草原」みたいになればなー、とちょっと思っていた)

ふたつの矢印の方角はやや異なるが、偉大すぎる原作のコアにあるものは変わらないし断固ぶれてないし、多少の謎かけ、多少の脚色があったくらいで崩れるもんではないの。
生きていくのはしんどいし、恋をするのも大変だし、大人の世界はわけわかんないし、要するにこんな世の中生きててどこがいいわけ ?  うーん、でもね、たぶん、きっとね … みたいなかんじ。
日本の勤勉アニメみたいに「生きろ」とか「がんばれ」とかお願いだから言わないで、と思っていたらそこはなんとかだいじょうぶだったかも。

声優がなかなか素敵で見事で、Marion CotillardのThe Roseとか、Benicio Del ToroのThe Snakeとか、Bud CortのThe Kingとか、そして成長した王子さまがPaul Ruddとか、仏語版のThe FoxがVincent Cassel(英語版はJames Franco) とか、この声優キャストでそのまま実写版を作ってほしいくらいだった。

アニメーションとしては、少女の世界が最近のふつうのアニメ、老飛行士の体験した世界が紙(?)アニメ、そのつなぎに原作本の紙と3層になっていて、そりゃそうなんだけどもうちょっと冒険したりぶっ壊したりしても、とか。 少しだけ。

でも2015年のアニメーションは、"Inside Out”があって、”The Peanuts Movie”があって、これがあって、よい1年だったのではないでしょうか。ね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。