16日の土曜日の昼、シネマヴェーラで見ました。『ロイドのスピーディー』
ロイドとキートンはとにかくどんなのでも見るし、できれば毎週でも見たいくらい。
フリッツ・ラングをいくら見ても極悪人にはなれないし、ルビッチをいくら見ても恋愛の達人にはなれない気がするが、ロイドとキートンをずっと見続けていれば、どうやって危機をのがれて生き延びることができるのか、やばい状況からすたこら逃げることができるのかの知恵とか手口とか度胸とかを授けてくれそうな気がする。
もちろんロイドみたいにキートンみたいに逃げられるようになるのってオリンピックに出るのよか難しい - ていうか死ぬよ - と思うけど。
Harold 'Speedy' Swift (Harold Lloyd)はカフェのバーテンやったり(Yankeesの試合結果が気になってしょうがない)、タクシーの運転手やったり(スピード出しすぎてめちゃくちゃ)するのだが、うまくいかなくて、ひとつの職に落ちつくことができなくて、恋人のJane (Ann Christy)からは、だいじょうぶかしらこのひと… みたいになっている。 彼女のおじいちゃんは馬が引っ張る路面電車(バス?)みたいな乗り物の運転手を長年やっているのだが、大手のバス会社だかなんかがその路線を横取りしようとやくざを連れて嫌がらせに来たりしていて、それを見たSpeedyは近所のお年寄りとかみんなを集めてバスを憩いの飲み屋にして味方を増やして、しまいにはやくざ vs. 南北戦争生き残りおじいちゃん軍の大喧嘩になるの。 20年代、マンハッタンのまんなかで。
(よれよれのじじい達が集まってくるところ、Daniel Schmidの『ベレジーナ』のコブラ団を思いだした)
ものすごく強引に決着がついたり感動的なオチがあったりするわけでもなく、Speedyがものすごくスピーディーだったり、曲芸みたいな技や綱渡りが出たりするわけでもなく、最後は西部劇みたいにお馬さんが奇跡の大爆走して、気がつけば勝っていました、みたいな軽さといいかげんさがたまんなくて、要するにかっこいいんだよ、ロイドって。
あと、SpeedyとJaneが休日に正装して(スーツで遊園地)コニーアイランドのLuna Parkにデートに行くとこ、定番中の定番だけど、いいんだよー。 昔の遊園地のアトラクションのほうが絶対に魅力たっぷりで遊んでみたいのがいっぱいあるの。 いまのコニーアイランドにも少しだけこの頃の名残のぼろいアトラクションは残っているので試してみたい方はぜひ(目がまわってかなりげろげろになるけど)。
1.23.2016
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