1.03.2016

[film] La princesa de Francia (2014)

ちょっと昔になるけど、12月11日 - 12日のアテネ・フランセ文化センターでの特集「マティアス・ピニェイロ映画祭2015」でみました。 
マティアス・ピニェイロのことはぜんぜん知らなくて、11日の金曜日の晩、時間があいたのでなんか見たいかも、と思ったところに”Rosalinda”をやっていたので立ち寄って見たらおもしろくて、上映後にSkypeで登場した監督もよいかんじだったので翌日も続けて行った。

12日の土曜日はアンスティチュでサミュエル・フラーのリベンジ大会があって、前売りでふたつ買っていたのだが「ベートーヴェン通り..」を見たあとの「フラーライフ」は止めてこっちに移動したのだった。

Rosalinda (2010) - 43分

シェイクスピアの「お気に召すまま」の翻案。
バケーションなのか夏休みなのか、船遊びをしたり泳いだりする水面と光、きらきらした自然のなか、リハーサルで繰り返される「お気に召すまま」。 男装したロザリンドの恋物語とリハーサルでの役柄の境界が反転していくような。

Viola (2012) - 63分

シェイクスピアの「十二夜」の翻案で、これも主人公(ヴァイオラ)が男装するお話。
ヴァイオラは自分たちで立ち上げた宅配ビジネスでブエノスアイレスの街を自転車で走り回っていて、リハーサルに取り組む劇団の人たちは別にいて、この素性を暴いたり確かめたりする(芝居をする)人たちとの出会いがヴァイオラをなにかどこかに導く。

La princesa de Francia (2014)  - 67分

「フランスの王女」 - “Rosalinda”のときに見た予告が素敵だった。
シェイクスピアの「恋の骨折り損」の翻案で、元のは恋なんてしないと誓った4人の男が「フランスの王女」の登場によりがたがたになる話だったが、ここでの「フランスの王女」はメキシコからブエノスアイレスに戻ってきたビクトルていう男(ここでも転倒が)で、ビクトルと過去いろいろあったらしい女たちのリハーサルは過去との決着だのなんだのでがたがたになっていく。

あと、ブーグロー(William Adolphe Bouguereau, 1825 - 1905)の乙女絵のたくさんの引用。
と、サッカー場とかキスいっぱいとか。

3作共、なぜシェイクスピアの喜劇なのか、なんでリハーサル風景で、それが近くで遠くで反復されるのか、とかいろいろ考えるところはあって、でも基本は恋せよ(そして傷つけ)乙女、ということではないか。
いや、どちらかというと、彼女たちの瑞々しい(そして短い - せいぜい1時間程度の)恋を切りとるための基本設定なのではないか、と思ったり。
3作共、出てくる女優さん達はだいたい共通していて、みなさんそれぞれにすばらしいったら。

スタイリッシュ過ぎ、ペダンチックでちょっとねー、ていうひとと、いろいろ詰まっていて(詰めこもうとしていて)おもしろいー、ていうひとに分かれるかもしれない。もちろんそれでいいんだけど。

上映後、監督とのSkypeの通話があって、Fort Greene Parkが映ったのできゅんとした。
あの辺で撮影しているのだろうか。 たのしみー。


お正月おわっちゃうよう。 会社行きたくないようー(結局そこね)。

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