11.28.2011

[film] The Descendants (2011)

Muppetsのあとで、シネコン内渡り(ごめんねPiggy)で"The Descendants" を見る。
今年のNYFFのクロージングだったAlexander Payneの最新作。
これも感謝祭映画、と言えないこともない。 ちょっと地味で暗いけど。

ハワイに住んでいるGeorge Clooneyが一族で代々管理してきた土地を売ろうとしているの。
そんななか、彼の奥さんがボートの事故で意識不明の植物状態になってしまうの。

で、これまでぜんぜん構ってこなくて、荒れ放題になっていた娘ふたりをそばに寄せて、面倒を見ることにする。 やがて荒れまくる長女の口から妻が地元の不動産屋と浮気していたことを知って唖然として。

ハワイに住んで、その血筋を、その土地を受け継いで生きる/生きてきた、ということを家族との葛藤、自身と妻のこれまでの暮らし(知っていたこと知らなかったことも含めて)との対比のなかで見つめ直そうとした - 見つめ直そうとあがく初老の男のドラマとしてじっくりと描く。 
"Sideways" (2004)のナパがそうだったように、ハワイのほんわかした陽光と空気が彼の焦燥と逡巡をくっきりとあぶりだす。

娘ふたりの荒れっぷり、長女の彼(なぜかどこにもついてくる)のぼけっぷり、義父の救いようのない頑迷さ、妻の浮気相手とその家族、そして何よりも、混乱と困惑のみを後に残し、何も語らず機器に繋がれて死を待つだけの妻、どいつもこいつも状態のなかではっきりと自分にとって必要ななにかに目覚めていく男一匹のGeorge Clooneyがただ、よい。 はじめて彼のことよいと思ったかも。

もともとAlexander Payneの映画ってそういうとこあったけど、今回のはテーマも含めてなんだかとっても小津っぽい。 会話もなにもすべてが地味なのにぐいぐい引きこまれ自分自身が事態の、その金縛りのただなかに押しこまれるような、そういう窮屈な居心地の悪さのなかに置かれてしまう。  それは映画の世界に浸る幸せとは別の種類の変な感覚で、ぐったりしたりもするのだが、悪くないの。

Thanks Givingのディナーは、昨年と同様、Prime Meatsの並びにあるFrankies(メニューは同じ)で七面鳥を戴いた。 昨年と同様、ありえないクオリティだった。

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