11.24.2011

[film] The Blues Brothers (1980)

滞在が延びて、それはもちろん、ぜんぜん歓迎すべきことではないのだが、よい面に敢えて目を向けてみようとするならばだ、例えばこんなのがあったの。

BAMの特集で"8 Films by John Landis"。 監督本人がきてQ&Aとサイン会をしてくれるって。

どしゃ降りのぐしゃぐしゃの火曜日の7:00から"The Blues Brothers"を見る。 
もう何回も見ている。 当時高校生だった自分に決定的かつ致命的な影響を与えた1本、なの。
John Landisはもちろん他にもアニマルハウスだって、サボテンだっておもしろいが、この1本はちょっと他とは比べられない。

この映画でR&BやArethaに出会わなかったら、ただのPunk/New Wave好きのカス野郎で終わっていたはずだ。
でもこの映画のせいで、電撃に打たれて神の愛に目覚めてしまったJakeのように、カスよかもうちょっと始末に困るゴミ、くらいのところにまで行ってしまった。 それがどんなにはた迷惑でうっとおしいゴミ野郎であるかは、例えば"High Fidelity"を読んでみればいい。
あんなふうな鼻持ちならねえくされクズになってしまったのさ。

最初にBAMのバカ映画担当(たぶん)のお兄さんが挨拶して、今回の特集はぜんぶ35mmだから、これはすごいんだから、ていう。  はいはい。
確かに、もう日本では35mmなんて残っていないだろう。 35mmで見れる最後の機会かも、と目に焼きつけよう。

監督も最初に一言だけ挨拶する。 
映画はくだんない(Silly)だけど、音楽は最高だから、楽しんでね! って。

内容は、別にいいよね。 
監獄から出てくるときの"She Caught the Katy"のギターカッティングのとこからずうっと拍手と歓声、笑いの渦ばっかし。
エンドロールで流れる"Everybody Needs Somebody to Love"は最後までみんなえんえん手拍子してた。

ボールルームでのライブから車を発進させて怒涛のカーチェイスになだれこむとこまで、なんかじーんとしてた。
なにもかもすばらしすぎる。

あと、みんな死んじゃったねえ。 
JBもCab CallowayもRay CharlesもJohn Lee Hookerも。

監督とのQ&Aもおもしろかった。
あんなにお話がおもしろくてGentleなひとだったとは。 そりゃおもしろいか、あんな映画つくるわけだしな。

"Animal House"の後で、National LampoonとSecond Cityの面白い連中を集めてアイデアをまとめていった話(これらはぜんぶSNLが始まるずうっと前からなんだぞ - ここ何度か強調)とか。

R&Bのメンツは今からするとすごく豪華だが、当時はディスコが全盛だったらか、みんな割とヒマで、ふつうに参加してくれた。
曲に合わせて口パクをしてもらうのがほんとに大変で、JBなんてぜったい無理だったから最初からライブ。 映画のなかで、JBとJohn Lee Hookerのとこはライブ録音だって。

映画のサントラ盤にJohn Lee Hookerを「黒すぎる」という理由で入れてくれなかったので、Ahmet Ertegunと大喧嘩をした、とか。

ナチ親衛隊の車が空を飛ぶとこは、実際に車をシカゴの上空にヘリで運んで、ほんとに落とした。 それを2台やった。 
ずっとやってみたかったので大満足だった。

カーチェイスですごくたくさんの車を潰したと思われているようだが、実際には50台くらい。前のシーンで使ったやつを塗りなおして再利用している、と。

アニマルハウスのときに「イパネマの娘」の替え歌を許可してくれなかったので、トムジョビンのことはずっと恨んでいる。
エレベーターのシーンでさいてーのアレンジの「イパネマ」を流してやるのは、それへのあてつけ。

ラストの監獄のとこで最初にテーブルに飛び乗って騒ぎ出すのはJoe Walshとその兄弟、だって。

こんなふうに映画のおもしろい話はいくらでも出てくるのだった。

最後に言ってたことで印象的だったのは、コメディ映画の質が根本的に変わってしまった、と。
今年一番面白かったのは"Bridesmaids"だとおもうが、あれは結果的にはみんな幸せになっておわる。 "Knocked Up"でも"Juno"もいろいろ事件は起こるけど、最終的にはみんながハッピーになる。("Juno"なんて高校生が子供つくって、それを他人にやっちゃってめでたしめでたし、なんてひどい話なのにさ)  
これはリスクを取ろうとしなくなった映画産業の質の変容とも関係している、と。

この映画もコメディーだけど、最後は刑務所だし、アニマルハウスはアナーキー状態で終わる。この映画の2-3年後の"Fast Times at Ridgemont High"くらいまでだった。  あれ以降、コメディは変わっていってしまった。 と。

サイン会でサインしてくれた本は、"Monsters in the Movies - 100 Years of Cinematic Nightmares"ていうハードカバーのでっかいやつで、映画怪物図鑑、みたいなやつ。 写真いっぱいで、古今のドラキュラとか狼男とかゾンビとか怪獣とか虫とかがきちんと分類されてうじゃうじゃ出てくるの。
Joe DanteとかJohn CarpenterとかSam Raimiとかいろんなひとたちとの会話もいっぱい入ってて、これで$40はぜんぜん安いよ!

  










と、いうわけでThanks Givingにはいるの。

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