11.16.2011

[film] Being Elmo: A Puppeteer's Journey (2011)

12日の土曜日は、映画2本にライブ1本。 このへんがもう体力の限界だわ。

7月から、アストリアのMuseum of Moving ImageではJim Hensonの特集をずっとやっている。
"Jim Henson's Fantastic World"
http://www.movingimage.us/exhibitions/2011/07/16/detail/jim-hensons-fantastic-world/

で、BAMのシネマテークでも、この日からPuppet映画特集がはじまったの。
"Puppets on Film"
http://www.bam.org/view.aspx?pid=3734

かわいいやつだけでなくて、ホラーとかも含めてざーっと。 見たいよねえ。

2時から見たのがこれで、IFCでは既に公開されてて、オープニングのときにはElmoが来て一緒に写真撮ってくれたりサインしてくれたりしてて、それを見せびらかす同志Mをはげしく嫉妬した。 
今回もPuppeteerのKevin Clashさんが挨拶に来るということで。

ボルチモアの郊外で生まれ育ったKevinさんがPuppetの世界に魅せられてPuppeteerを志し、やがてJim Hensonのチームに加わり、やがて驚異のいきものElmoを生みだすまでのおはなし。
彼とその家族のお話であることは勿論なのだが、Puppeteerの目からみた巨星、Jim Hensonの足跡を辿る旅 - つまるところそれは、Sesame Streetにむかう旅、でもあるのだった。

小さい頃にTVで見ていたSesame Streetは、ウルトラマンとかの怪獣ものと並んで、世界にはっきりと実在する不思議であり、憧れだった。 アーニーとバート、ビッグバードにクッキーモンスターは、どっかの国のあの町に、よくわかんない言葉を話す生き物としてそこにいるのだと信じこんでいた。 彼らの存在は決定的で、その後のディズニーもサンリオもそんなに来なかったのは、まず彼らがいたからだとおもう。

なので、映画の最初のほうで、Sesame Streetのテーマが流れて、アーニーとバートの顔がアップでスクリーンに大写しになった瞬間、ぶわっと泣きそうになってしまった。 とつぜん出るんだもの。

それと同じように最初のほうで、まだ動いてないElmoのもしゃもしゃにKevinさんが寄っていって、毛を撫で揃えて、腕にはめて、くるっと振り返ってElmoが、生きたElmoが目の前に現れた瞬間、客席のあちこちでなんともいえないため息がでるの。 ふにゃー、みたいな。

というわけで、ドキュメンタリーとして、Kevinさんの歩んできた道を追う、というだけではなくPuppeteerがPuppetに吹き込む命のありえないかんじ、のほうがすごくて、痺れっぱなしだった。 例えばすごいギタリストのプレイを追う、アーティストの創作過程を追う、それに近いのかも知れないが、そういうのよか、よりダイレクトに来るものがくる。 よくわかんないけど。 

映画のなかでも出てくるが、どんな調子の悪い子供たちでもElmoが寄っていってハグしただけで、にこにこになる。この会場でも、上映後のQ&Aの最中に子供がぐずぐず泣き出すと、Kevinさんがいけねえいけねえ、というかんじで、Elmoを腕にはめてそこに飛んでいくと、とたんに収まってしまう。 どう説明したらよいのかわからないの。 

という謎と驚異に満ちた80分だった。 
日本の、アニメとせいぜいディズニーくらいしか知らないかわいそうな子供達に見せたい。

Q&Aはおもしろかった。
「Elmoっていくつなの?」 「んー、52歳とかそんなもんよ」 とか。

彼に公認されたElmo使いは世界で4人くらいいるんだって。 
Elmoの人形は全部で9体あって、場面によって使い分けられるようにほんのちょっとづつ仕様が違うのだそうな。

あと、Puppeteerの指使いをみんなでやってみる、ていうのもやった。 One, Two, Three... をカウントしていくだけなんだけど。
こんど靴下でやってみる。

Elmoのもしゃもしゃにも触った。 絶滅危惧種よか珍しいやつに。

もうじき公開される"The Muppets"も、見て帰りたいけどなあー。 


ElmoとKevinさんは、11/19にLincoln Centerにも現れるよ。


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