6.05.2017

[music] Half Japanese

3日、土曜日の晩、Sundance Film Festival in London、ていうのがあって、PiccadillyでDavid Loweryのトークのあと”Ain’t Them Bodies Saints” (2013) を見て、ご飯食べ終わって帰るときに東のほうにものすごい勢いで走っていく警察の車が数台あって、TVをつけたらBreaking Newsが。
最初はLondon Bridgeで、という話で、やがてそこにBorough Marketが加わって、Vauxhallも加わって、やがてVauxhallは消えて、まだわかっていないことも多いが、人が亡くなって、テロである、と。 土曜日の晩、あの辺には素敵なバーが沢山あるし暑くもなく寒くもなかったし楽しんでいた人も多かっただろうに、ただただ悲しい。 このあと、関係ない人々に憎悪や腹いせの矛先が向かわないことだけを祈る。そしてアメリカ(大統領)のコメントは相変わらず糞以下だとおもう。 
恐怖に囚われてはいけない。恐れることはなにもない。 これまで通り映画もライブもお食事も出かけるから。


少し戻って、夕方の風が心地よかった1日の晩、Cafe OTOでみました。
ここはさすがにボディチェックも荷物チェックもなかった。

入ったときは前座のThe Blumbergsていう3人組がやっていて、リコーダーとかラッパのぴーひゃらとギターノイズをどんがらで回してジャンキーなトイポップを奏でる若者2+年寄1のトリオ。
ずっと聴いているのはしんどいけど、たまに波打ち際にふらふら吸い寄せられる、そんな音。

Half Japaneseのライブにきたのは初めてで、やっぱり見ておいたほうがいいかなー、くらい。
70年代の終わりくらい、レコード屋というところでぱたぱたを始めたころから、その変なバンド名と怪しげなジャケットは十分気になっていたのだが、手をつける気にはならなくて - 中古のコーナーに死ぬほど積んであったし - 彼らの名前が再び出てきたのは94年あたりのオルタナの時代のアメリカで、最初に聴いたのもその頃で、その時点で20年前のバンド、て言われていたのだから、もう元祖確定だよね。

Jad Fair以外のメンバーはギターとベースとドラムスのトリオで、最初にJad Fairが出てきて、容貌は白髪ぼうぼうの晩年のJohn Cageみたいで、穏やかに微笑みながらバンドの連中を引き摺りまわしていくかんじ。 足下には結構長いセットリストが置かれていたが、途中から関係なくなっているようだった。 
で、一曲目が”Better than Before”で、なんかふつうにかっこよくぶっとばしたのでびっくりする。
終わったとこで「このへんから始まったんだぜ!」とか言うのもすてきで、そのまま2〜3分くらいの曲を、ときには伴奏なしでアカペラでわーわー呻く、みたいのを繰り返して途切れることなく1時間強。 最後のほうで自分のギターのネックをぐんにゃり折り曲げて(既に何度もやっているようだった)足下に投げ捨て、マイクに向かって変なタイトルの曲をひたすらわーわー歌いまくる。

アンコールは何をもって一回と数えるのか不明なのだが、3回くらい、だろうか。
なんでもありだし、下手を口実にいくらでも好き勝手にできるはずなのだが、大らかに歌ったりがなったりしつつも終始だれることなく、宙から糸で攣られたようなテンションと風のような爽やかさでみんなを変てこなダンスの渦に巻きこんでいた。

こないだ見た"The Other Side of Hope”に出ていたバンドの音もこんなふうだった。 あと3時間でも半日でもずっと聴きつづけることができる音。 ああいうことがあった今となっては抱きしめたくなるくらい愛おしく響くことだ、て改めておもう。
見ることができてよかった。

いま自らをJapaneseである、と名乗ることは国際的にとっても恥ずかしいこと(やりたい奴はやってな)だとおもうのだが、この、半分JapaneseはWHFかなんかでちゃんと保護されるべきよね、と改めておもった。

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