15日の木曜日の晩、Chelseaの野外でみました。
この晩は仕事があってどうなるかわからなかったのだが、2階の椅子席が空いていたので前日に取った。最近そんなのばっかり。
場所はRoyal Hospital Chelsea、ていう1692年に建てられた退役軍人のケアをする施設で、地図を見ると敷地はやたらでっかくて、仕事を抜けて地下鉄降りてバスに乗り換えて、バスを降りてぐるーっと回ってゲートに辿り着いたらチケットのピックアップは反対のゲート、て言われてうんざり死にそうになりながら元きたほうをぐるーっと回り戻って、ようやくなかに入れた。こういうのがあるからこっちのVenueは侮れない。
なかには昔のお屋敷みたいなきれいな建物が並んでいて、屋外のテーブルでは食事とかサーブしてて、大砲とかもあって、ライブ会場は屋内と思ったら建物を背にした優雅な中庭みたいなとこ、広さはCentral ParkのSummer Stageくらいか。 後ろのほうに金色のでっかい像(チャールズ2世 だって)が立ってみんなを見下ろしている。
椅子席は前方のスタンディングエリアから後ろのとこに段々パイプで組んであって、割とがらがら。これはたぶん、チケットが売れなかったというよりも吹きあげてくる夕刻の風が寒くて冷たいのでみんな前のほうに詰めちゃったからだと思われる。自分も最初は震えながら見ていたのだが、1時間過ぎて完全に陽がおちたあたりでこれはあかん、と前の人混みのなかに行った。 あったかかった。
椅子に着いたのは前座のあと、始まる少し前の20時40分くらい、電気が落ちると赤い衛兵姿の老人ふたり(退役軍人?)が出てきてごにょごにょボケ老人漫談みたいのをやって、なかなかウケて、そのあとでBelle and Sebastianが登場する。
さて、わたしはこのバンドのライブはNYで2回くらい見た程度、90年代のと00年代のレコードもいくつかは聴いてはいるのだが、彼らの音や音楽がものすごく好き、というわけではないし、メンバーのこともあまりよく知らないし、流しておくにはなにも考えなくていいし、いいよね、くらいで、じゃあなにが良くてライブに行くのか、というと、彼らのライブで腕をぶんぶん振り回したりしながら楽しそうに踊って跳ねている女の子 - 大抵はじっこのほうにふたり組とかでいる - とかを見るのが好きなのだ、ということに気づいた。
それを決定的にしたのが"God Help the Girl" (2014)の映画とサントラで、あれはBelle and SebastianではなくStuart Murdoch なのかも知れないけど、彼らの音楽は彼女たちのために、彼女らを笑顔にしてダンスさせるための音楽なんだよね、ということに気づかされて、たぶんそれは英国だとより激しく、強力に炸裂するにちがいない、て確信したのでライブに行ったの。
ということでライブは(寒いのを除けば)とっても快調に弾んで気持ちよく、建物の向こう側に広がって表情を変えていく夕焼けも素敵で、寒いので体を揺らしてふんふんしているうちにどんどん流れていって、Stuartもいろんなことをべらべら喋っていた。こんなにしゃべるひとだったのね。 「今宵は折角Chelseaのランドマークでやるのだから"Chelsea"が歌詞に入っている曲をぜんぶやります」、とか、「そこの君たち、96年からずっと来てるだろ?」 とか。
曲については、みんなでステージ上でわいわい踊ったり歌ったりでっかいバルーンを飛ばしまくったり、最近の明るく楽しい曲もいいけど、3曲目の"Seeing Other People"とか、アンコールの最後でやった "The State I Am In"とか、やっぱり昔のほうに反応してしまうねえ。 これらの曲と最近のヒットパレード・ポップス風の曲とのトーンの違いってなんなのだろう、とか少しだけ気になるのだが、べつにいいや、になってしまってもいい … よね。
6.19.2017
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